ゼフィルス(Zephyrus)とは、ギリシャ神話の西風の神ゼフィロス(Zephyros)が語源で、同義語にゼファー、セフィーロ等があるように「そよ風の精」の意を持っているが、昆虫のシジミチョウ科ミドリシジミ族の呼称である。
ミドリシジミ族は、分類学上、現在では Theclini(テクリニ)族と呼んでいるが、第二次世界大戦前までは、Zephyrus(ゼフィルス)族と言われていたため、また、学名に、zephyrus が今でも使われている種もあるため、愛好家の間で一群をゼフィルスと呼んでいる。
ゼフィルスは、現在、世界に約120種余りが知られており、その90%以上は東アジアの温帯域の森林に生息している。日本には、25種類3亜種が生息しており、種類によっては「飛ぶ宝石」と言われるほど美しい。しかしながら、生息地は限られ、発生期間も短く、その姿を見ることすら難しい種も多く、美しさと希少性から、採集者の的になっている。地域によっては、条例で採集を禁止し、生息環境全体を保全している自治体もある。
本年は、目標であった2種類の初撮影と5種類の撮り直しを達成し、全25種類3亜種のうち24種類のゼフィルスを写真に撮ることができた。ブログ「ホタルの独り言」で毎年この時期にまとめてきたが、本年も今シーズンの区切りとして、以下に鱗翅目シジミチョウ科ミドリシジミ族(ゼフィルス)の分類と、これまで撮影した写真をまとめた。当然、証拠程度の写真もある。そうした種については、未撮影の1種とともに来年の課題としたい。
ミドリシジミ族(Theclini)
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ウラキンシジミ属(Ussuriana)
- ウラキンシジミ(Ussuriana stygiana)
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ウラゴマダラシジミ属(Artopoetes)
- ウラゴマダラシジミ(Artopoetes pryeri)
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チョウセンアカシジミ属(Coreana)
- チョウセンアカシジミ(Coreana raphaelis)
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ムモンアカシジミ属(Shirozua)
- ムモンアカシジミ(Shirozua jonasi)
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オナガシジミ属(Araragi)
- オナガシジミ(Araragi enthea)
- ウスイロオナガシジミ(Antigius butleri)
- ウスイロオナガシジミ九州亜種(Antigius butleri kurinodakensis)絶滅危惧ⅠA類(CR)
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ミズイロオナガシジミ属(Antigius )
- ミズイロオナガシジミ(Antigius attilia attilia)
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アカシジミ属(Japonica)
- アカシジミ(Japonica lutea lutea)
- ウラナミアカシジミ(Japonica saepestriata saepestriata)
- キタアカシジミ(Japonica onoi)
- キタアカシジミ北日本亜種(Japonica onoi onoi)絶滅危惧Ⅱ類(VU)
- キタアカシジミ冠高原亜種(Japonica onoi mizobei)絶滅危惧ⅠA類(CR)
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ウラミスジシジミ属(Wagimo)
- ウラミスジシジミ(Wagimo signatis)
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ウラクロシジミ属(Iratsume)
- ウラクロシジミ(Iratsume orsedice)
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ミドリシジミ属(Neozephyrus)
- ミドリシジミ(Neozephyrus japonicus japonicus)
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メスアカミドリシジミ属(Chrysozephyrus)
- アイノミドリシジミ(Chrysozephyrus brillantinus brillantinus)
- メスアカミドリシジミ(Chrisozephyrus smaragdinus smaragdinus)
- ヒサマツミドリシジミ(Chrysozephyrus hisamatsusanus)
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キリシマミドリシジミ属(Thermozephyrus)
- キリシマミドリシジミ(Thermozephyrus ataxus)
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オオミドリシジミ属(Favonius Sibatani & Ito, 1942)
- クロミドリシジミ(Favonius yuasai)
- オオミドリシジミ(Favonius orientalis orientalis)
- ジョウザンミドリシジミ(Favonius taxila taxila)
- エゾミドリシジミ(Favonius jezoensis jezoensis)
- ウラジロミドリシジミ(Favonius saphirinus)
- ハヤシミドリシジミ(Favonius ultramarinus ultramarinus)
- ヒロオビミドリシジミ(Favonius latifasciatus)
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フジミドリシジミ属(Sibataniozephyrus Inomata, 1986)
- フジミドリシジミ(Sibataniozephyrus fujisanus fujisanus)
ウラキンシジミ
(2014.8.3)
ウラゴマダラシジミ
(2012.06.23)
チョウセンアカシジミ
(2012.06.30)
ムモンアカシジミ
(2012.08.25)
オナガシジミ
(2011.7.16)
ウスイロオナガシジミ
(2015.6.29)
ミズイロオナガシジミ
(2012.06.17)
アカシジミ
(2012.06.14)
ウラナミアカシジミ
(2013.06.02)
ウラミスジシジミ
(2015.6.29)
ウラクロシジミ
(2014.6.15)
ミドリシジミ
(2012.07.01)
アイノミドリシジミ
(2013.07.21)
メスアカミドリシジミ
(2015.6.7)
ヒサマツミドリシジミ(メス)
(2015.9.23)
キリシマミドリシジミ
(2013.08.03)
クロミドリシジミ
(2012.06.23)
オオミドリシジミ
(2015.06.13)
ジョウザンミドリシジミ
(2013.07.13)
エゾミドリシジミ
(2014.7.6)
ウラジロミドリシジミ
(2015.7.5)
ハヤシミドリシジミ
(2013.06.30)
ヒロオビミドリシジミ
(2015.6.6)
フジミドリシジミ
(2015.7.12)
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沢山のチョウを沢山お撮りになって
このように見せて頂くとゼフィルスの
種類、どれも特徴があって綺麗ですね。
ホタルさんのブログを見ていて
チョウに詳しくない私も花を撮っていて
見かけるとついレンズを向けてしまいます。
今日はNHKの朝の番組「さわやか自然百景 榛名山」の中で榛名山の麓の草原にチョウの種類が百以上いて珍しい名前のチョウを取り上げていて慌てて録画してしました。
ホタルさんのブログで見たチョウもありましたが「セセリ」の種類が多かったです。
ヘリグロチャバネセセリ、ホシチャバネセセリ等。
ウラギンスジヒョウモン等が放映されていましたが。やはり見せて頂いたゼフィルスにはおとっているような気がしました。
再放送があり明日9月28日(月)午前11:00~午前11:16BS3で。地上波では28日午後3:41~午後3:55です
ご存じと思いますがお知らせしました。
コメント頂きありがとうございます。
私も、日曜日の朝にNHK は拝見しました。
榛名山は、情報は知っておりましたので、
いつかは訪れたいと、映像を見て、更に思いました。
五連休に富山に行き、ようやく、24種類目を撮ることができましたが、メスでしたので、
来年は、綺麗なオスが撮れるように、頑張ります。