散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

北の彫刻展2006

2006年08月27日 12時51分53秒 | ART
北海道では学校の夏休みというものはとっくに終わっている(道外の人は知らないかも知れないが、北海道では夏休み25日間、冬休み25日間くらいなのだ)。

当然、夜は涼しくなってきたりしているのだが、昼は暑い。今日も公式には行かないかも知れないが、30度を超えたであろう。そんな中、歩いて彫刻美術館へ。「北の彫刻展2006」が始まったばかりなのである。

中江紀洋の「流れついた果て」は数多くの歯型と人骨を連想させる流木が展示されており、死のイメージ。艾沢詳子の「オマージュ-無辜の民-」はワックスがけされたティッシュペーパーが棺を思わせる形に配置されている。また壁側には「無辜の民(本郷新作)」を連想させる、人があてもなく寄り添って彷徨うような造形。楢原武正の「大地/開墾2005-3」もタイトルとは裏腹に、墓標を連想させるような造形だ。帯広の「百年記念館」のことを思い出したが、帯広の開拓の歴史は冷害による想像もつかない苦難にみちたものであり、開墾≒死であったかも知れない。

小林重予の各作品は生き物の芽生えや、植物が再生するイメージでこの一角だけはかすかな明るさを感じられるかも知れない。作品に静かに向かい合うことのできる展覧会であった(それは観覧者がいないとも言う)。