11月10日、STV北2条ビルを経由して、コーヒーを飲んで帰宅。
11月13日、道新→たぴお→クロスホテルを経由してカクテルの会へ。
11月15日は近美→資料館→コンチネンタルギャラリー→テンポラリースペース→エッセ→紀伊国屋→大丸→JRタワー→富士フィルムフォトサロン→大同→時計台→さいとう→スカイホール→丸井→ARTスペース→hanaagura→趣味の郷の17箇所。
■北海道立近代美術館「読売書法会創設二十五周年記念特別展「北海道を創った人たち」展」。私はそれほど”書”には興味がない。作品の字が大部分読めないためだ(絵画的に見るという手もあるのだろうし、目録に書いてあることもあるが)。なぜその字を選んだのかを知りたいのに、字が読めない。しかも日本語なのに。興味が失せるのも無理はないだろう。
アルテピア会員でなければ絶対に行かなかったであろう、この展覧会にもそれ程期待はしていなかった。しかし、作品としての”書”というより、展覧会タイトル通り、歴史的観点で非常に興味深い展示になっていた。
出品者で有名どころは松浦武四郎、大友亀太郎、坂本龍馬、榎本武揚、三条実美、黒田清隆、徳川慶喜、新渡戸稲造、明治天皇、W・S・クラーク、前島密(個人的趣味で)、石川啄木などである。
松浦武四郎の「アイヌ鶴の群舞」は鶴を模した人が列になって連なり、芸森の「椅子になって休もう」を思わせるユーモラスな作品だ。
大友亀太郎の字は非常に正しい感じがする。どうも「開拓オジサン」というイメージがあるのだが、相当なインテリであったことをうかがわせる。石川啄木の書簡はかろうじて現代人の普通の人にも読めるであろう。文章にリズム感があり、なかなかの美文である。
歴史に興味のある人も、ぜひ見てはどうだろうか。
■札幌市資料館「一人一仏展」。今回はそれ程感心する作品がなかった。泉山陽一「阿修羅」は、題材とした興福寺のものとは違ってしまっているが、良い表情をしている。
■コンチネンタルギャラリー「北海道教育大学情デ展」。新岡七瀬「型/ぬき」は写真と面白いワンフレーズの合体した、一人写真集。末藤麻紀「ある創世記」はゴミ箱の中でくりひろげられる創世記。話が少々安易だが、感動的。
■テンポラリースペース「河田雅文個展「logs/river/city」」。琴似川を自転車で行く映像作品が面白い。周囲をコンクリートに囲まれた浅い川底を進んで行くのだが、すぐ周囲には住宅もあれば車も走っている。そんな中、まるで見えない道を歩んでいるかのようだ。
■JRタワーART-BOXでは熊澤桂子「Funny Carrot(こっけいにんじん)」。二股になったりしたニンジンが選別ではねられている状況をテーマにした作品。選別の様子がビデオ映像として流れているのだが、興味深い。
さらにコンコースでは映画ポスター展をやっていた。私はそれ程映画に興味がないのだが、
→子供の頃、モヤモヤしたなあ。
→敵役のオッサンと鏡の部屋の死闘。傑作である。
といった所が思い出深い。
■大同ギャラリー「大地康雄の油絵展」。一番奥にある異次元紀行シリーズ「游泳」は北海道とギリシャを合体させ鳥瞰したような作品。大地流世界地図という感じだ。
■時計台ギャラリー「道展会員・友による小樽桜陽高校OB展」。武石英孝「冬の日」、福原幸喜「望楼より」。佐藤綾子「感情の累積」等が面白い。
「山下かさね展」。この人いったい何者? 水彩で東京の風景や人物を描いた作品が多い。作品を見ていて浮かぶイメージを言葉にすると、童話の挿絵・日本画・浮世絵・マンガ・風景スケッチという要素を少しずつ持っている。
こういう風に書くと「ありきたりの画なのね」という風にしか取れないと思うのだが、いやそれが全然違うのだ。微妙な構図や色彩の独創性もあり、”世界観”とでもいうべきものが感じられるのである。
そして、非常に細やかであり上手い。画の隅々まで見るべきところがあって面白いのである。私が画に関してこういう思いを抱くのは、伊藤若冲の「動植綵絵」を見て以来だ(大げさ?)。とにかく素晴らしいので、と声を大にして言いたい所だが、残念ながら会期は昨日まで。
■さいとうギャラリー「だめなひと、もしくはぴーなっつ展」。道都大の青木政巳、岩井玄の二人展。印象的には陽と陰の二人、「だめなひと」という作品で描かれた人物が小島よしお風で面白かった。
もう一つが石井誠、大泉力也の「共振展」。石井誠は複雑ながら煩くない形が良い。大泉力也は比較的シンプルながら、派手でない色使いの選択が良い。二人ともタイトルの何となく理屈っぽいところが、若くていいなあという感じだ。