散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20080921ギャラリー巡り

2008年09月21日 15時09分31秒 | ART
20日(土)は体調不良で小樽に行こうと思っていたのを断念。市内ギャラリー巡りも出来なかった。今日は何とかぼちぼちと。三越→スカイホール→さいとう→ivory→ARTスペース→丸井→テンポラリースペース→紀伊国屋→マリヤの9箇所。

■三越「三越美術特選会」。どうもいつも値段に目が行ってしまう展覧会である。今回はルノワール1億2600万円。絶対買わない方がいいと思う作品(買えない? かな?)。千住博も生きてるのに(失礼)高いよなあ。

■さいとうギャラリー「富樫はるか個展」。今ひとつ調子が悪いのに、ギャラリー巡りに出たのはこの展覧会のためである。作品の中には電線が多く描かれている(半数以上か)。「行き着く先」という作品では蔦が電線(らしきもの)にからんで伸びているが、電線の先はどうなっているのか、何かにつながっているというのがテーマの一つだろう。

「灯台のむこう」でも電線が描かれているが、一般的にはその先には海しかない。しかしこれもまた何かあるのかもしれないと想像するのだろう。昔の画では手紙(文)が遠くを思わせるアイテムだったが、今は電線なのだろうか。もしかすると携帯電話が取って代わるのかもしれないし、さすがに”ケイタイ”には荷が重過ぎるのかも知れない(←脈絡がない)。

■ivory「山田光造石刻画展」。石刻画って何じゃいと思っていたが、石に絵の具をつけて和紙に押し付けて描く画法とのこと。屏風状の作品で岩の上を鳳凰(火の鳥?)が駆け抜けていくような作品が一番良かった。

その他にも同じデザイン3作ながら、それぞれに色彩の違う梅を描いたものが良かった。3作の中では暗闇の中に浮かぶ梅の木を描いたものが、宇宙的な感じに見える。

■テンポラリースペース「新明史子展」。家族のいろいろな時代の写真を切り取り、モビールに仕立てた作品。何となく懐かしさや家族の歴史が感じられるのだが、全員作者の身内だけにあまりにもパーソナルな感じがしすぎる。

■マリヤクラフトギャラリー「川口英高作陶展」。陶芸、ガラス、金属工芸と多彩な出品。陶芸に使う”土”の入手が大変だということや、ガラスは材料がタダ同然など、いろいろと作るうえでの苦労話を聞かせてもらった。

さまよった

2008年09月21日 12時44分35秒 | 食べ歩き
北18条付近のスープカレーの店にタイカレーがあるらしいのだ。日曜日の昼過ぎに足を運んでみたが、人気店らしくやや混雑の模様。お店の人が「時間かかりますが!」というので、あっさりあきらめた。しかし、店内の座席が半分埋まっていないのにテンパっているのは問題ではないだろうか。

ギャラリー巡りの都合上、さっぽろ駅で降りる。うーん、日曜日だからどうすべきか・・・。あっさり中華の「K」にしてみた。この店、土曜定休だからたまの日曜日外出でないとこれないからな。



食べるものもあまり悩み無く中華ちらしとなった。味噌汁、沢庵付き。先日来の体調不良がおさまってくる味だ。



食べ終わって店を出ると、すぐそばに本田明二作の像があるのだ。写真は電線のおかげで台無しだ。


送別会1

2008年09月19日 22時53分41秒 | 飲み歩き・大通、札幌界隈
道新ギャラリー、富士フィルムフォトサロンに立ち寄る。富士の大雪の形象~大雪山~山本康夫写真展」は非常に面白い山の造形を見ることができる。

札幌駅前近くの「M」へ。今日は共に仕事をし、何度かバーにも一緒に行ったK君の送別会第一弾だ。写真が無いので簡単に紹介するが、料理は鳥刺し、馬刺し、もつ鍋など九州料理系である。鳥刺しの中の砂肝刺しがさっぱり味とちょうど良い歯ごたえで、美味かった。馬刺しはもちろんのことである。

飲み物はビールから焼酎へ転じ、結構飲む。さてこの一軒では当然おさまらない私はK君、N君と共に、すすきののバー「N」へ。結構込んでいたがちょうど三席あけてもらい座ることができた。

私はバンブー、アドニス、ジャックローズ、マティーニの4杯。昔話に花が咲いたのはいいが、私は飲みすぎて撃沈。これを書いている現時点(翌18時)も、まだ復活していない。

会議が長引いて・・・

2008年09月17日 21時15分58秒 | 飲み歩き・大通、札幌界隈
会議が予想以上に長びき、終了後一人で飲みに行く。

今度は無事に開店していた「S」で、1杯目は角ハイボール。2杯目はジャンフィユーナポレオン。さて3杯目はと、先日気になっていたグリーンスポット(アイリッシュ)にしてみた。アイリッシュは単純に甘めで余韻が短い感じがするのだが、これはなかなか。甘さが表面に来ずに、じわっと味わいがやって来る気がする。

好調な4杯目は宮城峡10年。こうやって比較して飲むとしっかりしたモルト香がするもんだなあ。ラスト5杯目にアードベッグ10。これもしっかりした味わいだ。前回は最後まで一人客だったのだが、今日はお店も混雑気味だ。安心して店を出る。

小腹がすいて散歩しつつ狸小路の西の方へ。「M本店」で今日はカレー南蛮蕎麦にしよう。こってりしたカレーで、麺がちょっと柔らかすぎだがこんなものであろう。

20080915最近読んだ本

2008年09月15日 22時47分39秒 | 読書
■「ギガース3」今野敏
いよいよ木星圏の謎と、戦争開始自体の秘密が解き明かされてきた。

■「サスツルギの亡霊」神山裕右
南極で義兄が死亡した。その謎を解くために南極探検隊に参加した主人公だが、その身に危険が迫る。もう一つ、舞台が南極ならではという感じにならなかったが・・・

以下、図書館の6冊。
■「他人を許さないサル」正高信男
酒飲みながら雑談しているレベルだなあ。

■「あなたは人にどう見られているか」松本聡子
新書でもちゃんとした本もあるのだがなあ。どこかできいたようなマメ知識に自分の意見(らしきもの)を1ページくらい付け加えると、1冊出来上がり。

■「大人の街歩き2 札幌・小樽・富良野・函館」
他県でいうと考えられないくらいの広いエリアを1冊にまとめた観光本。ちょっと小樽に行こうと思っているので参考になるかと思ったが、ならなかった。

■「意義あり!」二見喜章
反原発のスタンスに偏りすぎるマスコミのあり方を問う本。私の原子力発電所へのスタンスは次のようなものになる。
・現在の電力需要からして、原子力発電の必要性はあり(不要という人は電気使用量を3分の2に減らすこと)。
・しかし人類のこれからを託すべき発電方法ではないのは明らか。
・政府、というより人類のレベルで将来のエネルギー供給方法とマイルストーンを明確にする必要がある。

以上。

■「わかるインターネットセキュリティ」御池鮎樹
1箇所を除いて役に立つことなし。

■「シングルモルト超入門」土屋守
特徴を知るために3杯飲み比べなんて、バーでやれば良いと思うのだよな。その反面、自分で勉強して背伸びしてバーに行くというのも、必要なことだよな。

20080915ギャラリー巡り

2008年09月15日 16時12分07秒 | ART
本日はADPギャラリー→札幌市写真ライブラリー→NHK→ギャラリー創→時計台→STV北2条→さぱら→門馬の8箇所。

■ADPギャラリー「小樽商科大学写真部新人展AND企画展」。飯田汐李のバケツの中で水面がうねっている写真はタイミングが面白い。風間晴香の作品は何点か裏焼になっていると思うのだが(※)、意図が分からない。

※Tシャツの文字が逆になっているのが2枚、右手に腕時計をしているのが1枚・・・もちろん時計を右手にする人(左利きの人も含めて)もいると思うが。

■STV北2条ビル「香取正人風景画展」。かなり点数が多く、香取ワールドになっていた。普段、階段の壁に貼ってある亀山作品は今回も外されたままだ。

■ギャラリー門馬「杉吉貢墨絵展」。墨絵によくある竹と笹の向いに、妙に気になる年配の女性の顔。視線が強く、果たしてどこを見ているのか。

「京都造形芸術大学大学院 神内・名和ゼミ・教員と学生とゲストアーティストによる「小立体・ドローイング」展」。これは非常に面白かった。京都の学生の作品を見る機会などなかなかあるまい。

まず、藤井秀全の作品が素晴らしい。「Color#11」は細いテープと偏光フィルタで作ったらしいのだが、宝石のように、そこに異次元世界が発生したように光が輝く美しさに息をのむ作品だ。

続いて近美でも出品していた名和晃平の「PixCell-Toy-Kewpie」。小さなキューピー人形の形をなぞるようにガラス球を貼り付けたもの。

それから中石信洋「Layer Drawing#001~009」も面白い。重ね合わせた透明フィルムに画を描いて、全体として立体にも見えるような作品なのだ。技法としての可能性を感じる作品でもある。

***
ところで今日は暇だったので、血迷って大通からギャラリー門馬まで歩いていった。その途中で、見たもの。

朝・昼・夜と料理を手作りしているのに、自称「ずぼら」な店。



ボンボランって何? パタリロに出てきそうだ。


札幌には少ない

2008年09月15日 12時54分47秒 | 食べ歩き
タイ料理を食べられるところがないものかと探してみたが、夜はあれど昼間開いている店は札幌にはほとんど無いようだ。1軒見つかった北12条付近の「S」へ。



昨日と同じメニューでグリーンカレーにしてみた。



ココナッツの香りは同じ。具材の鶏肉と竹の子は同じ。半切りのゆで卵が入っているのと大根が使われているのが違う所かな。ご飯(日本の米か?)にかなり多めにかけて食べてみた。

ふむ、基本的な味のタイプは同じだ。辛味が少々強いかもしれないが、問題なく食べられる味つけ。途中で唐辛子をつけたナンプラーをたらしてみる。おっと、これがちょっと特徴のある香りだが、味のコクを出すのに効果ありだ。そして漬け込まれていた唐辛子成分で、辛味もじわりと強化される。

ということで、少々の違いはあったが大体琴似で食べたのと同じ方向の味であった。たまに北12条にはくるので、また来てみたい。

タイの味再び

2008年09月14日 13時26分40秒 | 食べ歩き
大体毎週というか、飲みに行くと必ずやりすぎているのだが、昨日もちょいと飲みすぎた。気だるい体で琴似周辺の散策。2回目の訪問になるが、タイ料理の「S」に行く。

前回はレッドカレー、もちろん今回は鶏肉のグリーンカレーにしよう。最初にやけに辛いドレッシングのサラダ、次にトムヤムクン風スープ。辛さに酸味、独特の香辛料と普段来ないところをついてくる味わいに、胃が活性化してくる。

そしてグリーンカレー登場。ココナッツの風味が効いているのは同じだが、そのマイルドな口当たりの底から、辛さが湧いてくる。タイ米をカレーでひたひたにして、かき込むのが美味しい。

今日は最後にデザート、タピオカのココナッツミルクにして、優しい味で舌を落ち着かせた。しかし、何ともいえぬタイの風味、しばらく口中に良い味わいが残っていた。二日酔いも吹っ飛ぶ味だ。

※話は変わるが、9/20~10/19滝川市美術自然史館の「北門信用金庫コレクションによる北海道美術の潮流展」は絶対見に行かなくてはなるまい。

※琴似で立ち飲み屋さんができるらしい。しばらくしたら行ってみようと思う。

20080914最近読んだ本

2008年09月14日 07時14分06秒 | 読書
■「VOW20」
相変わらず他の追随を許さない境地。

■「宇宙飛行士ピルクス物語 上下」スタニスワフ・レム
人間を超えたものを冷静に見つめるという点でクラークを超える巨人レムである。今作はサイバネティクス、人工知能論に関してもアシモフに匹敵(アシモフは独特の茶目っ気がある)することを証明した作品である。「ピルクスの話」におけるただ通り過ぎていく圧倒的な異星の宇宙船の姿にシビレル!

■「気分は名探偵」我孫子武丸 他
犯人当てアンソロジー。「本格推理」というのを満たすための制約は多いが、それぞれにアイディアと雰囲気を楽しめるようになっている。

■「猫丸先輩の空論」倉知淳
確かに証明されたわけではない「空論」であるのだが、猫丸先輩の語り口に丸め込まれてしまう。これも上質な推理小説のひとつ。

■「居酒屋ほろ酔い考現学」橋本健二
東京下町の居酒屋ではビールがお金持ちの飲み物だったりした(今も?)。焼酎やハイボール(ウィスキーではない)の方が、酔うためには効率的だからである。その傾向も一時期は目立たなくなってきたと思っていたが、また新たに「発泡酒」という存在が生まれ、ビールはお金持ちの飲み物に変わってきたような気がする。

もちろん、最近の若い世代にはビールの濃厚さを好まない嗜好があるのも、マーケティング的には事実らしい。格差社会が居酒屋にも影を落としているというのも、何ともたまらない話だ。良い居酒屋は万人の味方であったはずなのに。

■「せせらぎの迷宮」青井夏海
子供の頃の葛藤と小さな罪。若干の懐かしさを感じないわけでもないが、子ども世界における狭い付き合いと、自分は自分と言い切れなかった自分のスケールの小ささが思い出されて嫌なものだ。

以下、図書館の1冊。
■「世界の珍飛行機図鑑」西村直紀
左右非対称飛行機とか、翼の先端の方が広がっている飛行機とか、もっと考えれば新たなアイディアが出そうな気もするのだが・・・。もうデザイン的には完成してしまっているのかなあ。

琴似に戻り

2008年09月13日 20時18分18秒 | 飲み歩き・琴似界隈
琴似に急いで戻り、居酒屋「D」へ。

コップ小ビールをもらい、悩んだ結果、今日の刺身はスズキ/しめ鯖にしてみた。スズキはほど良く脂がのった感じ。しめ鯖は浅めのしめ方である。慌てて酒(山形の鶴翔純米大吟醸)を頼んであわせてみる。こりゃ素晴らしいわ。



続いて、鮭の白子ポン酢和えを注文。白子はボイルして熱々になったものを昆布を入れたポン酢につけて味をしみこませるらしい。ポン酢も自家製だろうか、かなりフレッシュな柑橘系の香りが予想以上にしっかりついている。

もう一品はポテトサラダ。この店のメニューで見たのは初めてのような気がするが、なかなか味付けはよい。ほんの少し醤油をたらして、酒の肴にも持って来いだ。酒はかなりビシッとした飲み口の松の司ひやおろしにチェンジ。さらに続いて東洋美人を飲む。

さて、食べ物のしめは豚肉の味噌漬け焼だ。これは肉の部分も良いが、脂身の部分がほど良く口中に溶け出すのが美味い。最後にカリフラワーのカレー風味ピクルスをつまみに、洋酒へ転じる。



まず洋酒1杯目はカースブリッジ43年。シングルモルトで43年ものだと気が狂うような値段になってしまうが、グレーンウィスキーなので程ほどのお値段なのだ。一般にグレーンウィスキーなんて味も何も無いという感じだが、さすがに自信のある原酒を43年寝かせたのだろう。材料の関係上、バーボン風味もするが、しっかりとした甘みが顔をのぞかせている。

洋酒2杯目はデラマンXOペール&ドライだ。今ネットで調べてみると熟成年数25年以上ということだが、名前の通り意外とドライな感じがする。しかしそこにマスターからマダガスカル産のチョコレートの差し入れが来た。こちらも甘み控えめのチョコレートだが、チョコ+ブランデーを口中に含むと! 2種類の味が混沌と交じり合い、お互いの足りない所をカバーして劇的に味を高めるのだ。

さすが私の通う店の中でも、食べる・飲むの両方を満足させる数少ない店の一つである。

夏継続?

2008年09月13日 17時44分05秒 | 食べ歩き
今日も快晴、少々暑い。

ギャラリー巡りの前に昼食。西18丁目近くの「Y」食堂へ。いつもラーメンを食べることが多いのだが、今日はちょっと暑いため冷やしたぬきにしてみた。あっさりしたツユ、麺に天かすのほど良い油分が加わる。



ギャラリー巡りを終えて、古本とビールの「A」にたどり着く。疲れてややぐったりしたところで、帝国IPAというビールを飲む。香りが強くすっきり目で苦味が残る。

ビールを飲みながら(もちろん手に持ってではない)書棚探し。蔵書票の本を発見して購入。版画の1ジャンルといって良いと思うが、制約されたスペース内での凝縮された表現が面白いのである。


20080913ギャラリー巡り

2008年09月13日 13時22分02秒 | ART
本日は近美→三岸好太郎美術館→資料館→コンチネンタル→大通→道新→時計台→たぴお→クロスホテル→富士フィルムフォトサロン→紀伊国屋→三越→さいとう→ARTスペース→趣味の郷の54箇所。

■北海道立近代美術館「よみがえる黄金文明展」。



行く前は「トラキアってどこ?」という感じであった。現在のブルガリアと分かってもピンとこない。ブルガリア=ヨーグルトという程度の考えしか浮かんでこない。

私は展示会場にある説明文をあまり読まない(先入観が湧かないように)のだが、それでもちょこちょこ見ているうちに何となく分かってきた。トラキアは独立した国家として成立したわけではないので、ギリシャ、ペルシア、ケルト、マケドニア、ローマなど周囲の国・民族の影響受けまくりのようだ。特にギリシャ神話をベースにしたデザインが多かっただろうか。

以下、興味を引いたもの。
・外科手術道具一式:かなり道具としては精密で、ちょっと怖くなってくる。
・兜:ブルーグリーンの深みのある色。サイズが小さくて、私の頭は入らなそう。
・イヤリング:スフィンクスのデザインが施された精巧なもの。素晴らしい。

・赤絵式ヒュドリア(カルピス):意外と達者な線でデザインが施されている。絵付けの職人技という感じだ。
・トラキア騎馬戦士像墓碑:ギリシャ文字が書かれているのだが、最後にハートマークに一本毛の生えたような記号が書かれている。まさか「戦士さま、ステキ(はーとまーく)」という意味じゃないだろうな。

・すね当て:アテナ頭部像がすねの部分についているのだ。ゴールドクロス(by聖闘士☆星矢)のパーツみたいだ。
・フィアラ杯:円形でゴージャスな作り。どんぐり紋はさておき、黒人頭部紋があるのは何故なんだろう。やはり奴隷として連れてこられた珍しい人間(動物?)扱いってことかなあ。

■これくしょん・ぎゃらりー「「季語」のみえる風景」。中々季節感のある作品というのも悪くないものである。

菅原無田「寒江捕鮭」:私にとっては、懐かしい千歳のインディアン水車の風景。
吉田秋光「十二ヶ月連幅 十一月(山茶花に小禽)」:背景画やや暗い淡色で冬の入りらしい風景。その中で花の赤(ピンク)が光る。

北岡文雄「晩秋の木曽路」:面白いほどカラフルな風景。結構遊び心を感じる。
北岡文雄「雪の降る街」:雪がしんしんと降りつつ、家の壁がピンク・緑・黄・赤とこちらもカラフル。暗い感じがしない。

寺崎広業「歳の市」



長大な作品、岩橋英遠「道産子追憶之巻」。近美によく来る人にとってはお馴染みだろうが、北海道の季節感がよくわかる。



「ふれるかたち」ということで、触っても良い安田侃の「対話」。



■三岸好太郎美術館「鳥海青児と三岸好太郎」。あまり事前に期待感を持っていなかったのだが、鳥海青児の作品好きだわ。まず入口からいきなり二人の「道化」対決。制作年が8~9年後の鳥海作品の方に大人の余裕を感じる。

鳥海青児はかなり強く絵具を使う人で、「水田」という作品は具体的な形はなく、画面いっぱい左右に絵具がぶちまけられている。じゃあダメかというと、立派に作品として成立はしているのだ。

さらに時代が下るともうすこし落ち着いてくる。「伊賀瓶子とメロン」「黄色い人」などは実に色彩感覚が優れていると思う。描いたものと同系色の背景が多く、一見地味だなあという感じなのだが、実物を見るとそれが良い。

特に「黄色い人」は下地のわずかなグリーンがのぞき、周囲の肌色、顔のグレー、手がかすかにピンク色と配色が絶妙だ。これはぜひ実物を見るべしという気がする。

三岸好太郎では「裸体」という作品は始めてみたような気がする。



■コンチネンタルギャラリー「WAVE NOW '08」。林亨の「心を浮かべて」はキャンバスの青からはみ出すような雲(心のイメージか?)。モネ「睡蓮」を思い浮かべるようでもあり、茫洋とした雰囲気が良い。

浅野修「○(円)」。白紙に巨大な円。円周上に置かれた鉄釜がぐるりと跡を残したかのようである。米谷雄平「聖樹」。炎で出来ているような樹木が宗教的にも見える。

■たぴお「TEN展 II」。佐々木俊二の作品が印象的だ。冷たい蒼で描かれた背景と枯れた花、空の白い皿・ナイフ・フォークが良い雰囲気だ。