子供を作らない人が増えているみたいです。その理由ですが、結婚しない人の場合と微妙にニュアンスが異なっているようで、簡単に言うと日本と世界の将来に希望が見えないからでしょう。希望のないところに子供を放り出す訳にはいきません。いま日本で少子化が進んでいるのは格差社会に是正の望みがなく、将来に夢や希望を持てないからです。希望のない社会にしてしまったのは自民党であり公明党でありそれぞれの支持者です。さらに前回の衆院選挙で小泉政権に投票した有権者です。そして投票に行けるのに行かなかった怠惰な人々です。これらの合計を簡単に計算すれば実に有権者の8割が該当します。つまり、少子化をもたらす格差社会は自民党政権が生み出したものですが、実はそれは国民が望んだことなのです。そして困ったことに、ほとんどの人がそれを自覚していません。
名前は失念しましたが、「人は歳を取って大人になるのではなく子供が出来て初めて大人になる」と、自民党政権の回し者みたいなことを書いている女性(石原慎太郎さんによると人類が生み出したもっとも悪しきもの、即ちババア)がいます。もちろん何の論拠もない空疎な言葉ですが、こういう考え方の背景には人間が子供を作るのは自然で当然のことなのだ、という前提があります。
人間以外の動物や植物はあらかじめ遺伝子に組み込まれたプログラムに従って子孫を生み出しますが、人間は必ずしもそうではありません。釈迦は、人間が現世に執着して悟りを開けないのは、名前をつけるからであると喝破しました。名前をつけることで愛着が生まれ、愛着があるために現世に執着する。執着がある限り悟りは開けないと、そういうことです。つまり、釈迦は他の動植物はいざ知らず、人間は子孫を生み出して種の繁栄を目指すものではないと言っているのです。
安倍ちゃんが改正を目論んでいる日本の憲法にも、三大義務以外の義務、結婚の義務や出産の義務などはありません。もしそんな義務を追加したら、一方で推進している格差社会政策との整合性が保てないだけでなく、結婚しない人、できない人、子供を作らない人、できない人から猛反発を食らうことが必至だからです。それでも安倍ちゃんは新しい憲法に結婚出産の義務を謳うかもしれません。それは奴隷を生み出すためです。格差社会を維持するわけだから、社会の底辺にいる人を再生産し続けないといけません。そういう人たちが「繰返し単純労働力」となって上層部の大金持ちや政治家たちを支え続けるわけです。それを「美しい国」と呼びます。
こんな現実に気づいた人が、子供を作りたいなんて思う筈がありません。そこで安倍政権は何とかごまかして将来に夢や希望を提示して見せます。昔、北朝鮮やブラジルに渡った人々に対して当時の政権が行ったひどい仕打ちと全く同じことを、安倍ちゃんは国民すべてに対して行おうとしているわけです。蛙の子は蛙といいますが、安倍ちゃんは典型的で、気の触れたA級戦犯のおじいちゃんと同じ間違いを、さらにスケールを大きくしてやろうとしています。それもこれも、前回の総選挙で小泉政権を圧勝させた有権者の責任です。年金の行方不明を国民のせいだ!と決めつけたみのもんたではありませんが、日本が近い将来、軍国主義になって他国の国民を殺しに行くとすれば、それは国民のせいだ!と言えるかもしれません。やれやれ。このまま行くと、若い頃から散々働いて税金を納めてきた老人たちが、年老いて働けなくなると国から見捨てられて自殺する、ということがさらに増えていく、どうしようもない嫌な社会になるでしょうね。