三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「Manchester by the Sea」

2017年06月04日 | 映画・舞台・コンサート

 映画「Manchester by the Sea」を観た。
 http://www.manchesterbythesea.jp/

 人生には悔やんでも悔やみきれないことがある。人は自分を責め、心を閉ざして未来に背を向ける。もはや人生に喜びはなく、希望の明日もない。自分自身を見捨ててしまったのだ。そしてもう死んでしまいたいと誰もが願う。本当に死んでしまう人もいれば、生きつづける人もいる。
 かくも悲しい世の中を、人はどうして生きつづけていられるのか。仕事終わりに飲む一杯のビールのためか。ネットで買った靴が週末に届くのを受け取るためか。

 町や部屋を出て行くというのは、映画でも小説でも歌謡曲でも数多く取り上げられているテーマだ。家族や友人、恋人との別れがあり、歳月が流れて故郷を振り返る。たとえそこに耐え難い想い出があったとしても、故郷には自分の消しがたいアイデンティティがある。流れ流れてこんな生活になっちまったという人も、いつかは故郷と向き合って、決着をつけなければならない。
 たとえ故郷に親戚も友人もいなくなっていても、昔ながらの山があり川があり海がある。室生犀星の「小景異情」に歌われている故郷に対する感情は、世界共通の感情であるように思える。人はそれを懐かしさと表現するが、懐かしさは愉快な記憶だけではない。苦しい想い出やほろにがさもある。
 人によっては忘れてしまいたい凄絶な記憶もあるだろう。出来れば逃げていたい記憶だが、故郷の記憶を捨て去ることはアイデンティティの喪失を意味する。根無し草になってしまうのだ。
 この映画の主人公は兄の遺言から逃げようとせずに、自分本意で幼稚な甥の面倒を見ながら必死で過去の自分と今の故郷の両方と折り合いをつけようともがく。
 主人公を受け入れたくない周囲に対し、それでもすべてを引き受けて生きて行こうとする主人公。しかし過去の記憶はどうしても自分自身を許そうとしない。その葛藤がこの映画の主眼であり、観客の誰もが主人公に自分を重ねる。いい作品である。


レース結果~安田記念

2017年06月04日 | 競馬

安田記念の結果
1着サトノアラジン  無印
2着ロゴタイプ    無印
3着レッドファルクス 無印

私の印
◎アンビシャス    15着
〇イスラボニータ     8着
▲グレーターロンドン   4着
△ステファノス      7着
△エアスピネル      5着

 馬券は頭で買ったアンビシャスが15着大敗だったので当然ハズレ。
 レースは前後半45秒5~46秒0の平均ペース。レースの上がりが34秒4なので、先手を取ったロゴタイプがそのまま逃げ切ってもおかしくない展開だったが、33秒7の鬼脚を使ったサトノアラジンが首差かわして優勝した。大跳びでサクラユタカオーみたいな走りの馬だ。
 アンビシャスは終始後方で、直線もまったく伸びずに終わった。マイルが向いていなかったとしても、ここまで大敗するのは調子が悪かったとしか思えない。
 イスラボニータは不完全燃焼のレース。直線で前が開かなかった。しかしそれは器用な脚がないか、前をこじ開けるくらいの勝負根性がない証拠。結局、皐月賞は何もかもがうまくいったレースだったということだ。
 良血馬グレーターロンドンが4着。上がり33秒9で勝ち馬から0秒1差なら結果としては悪くない。5歳だが1年間の休養があり、キャリアは浅い。これからの伸びしろが期待できる馬だ。
 エアスピネルは上がりタイム2位の33秒6の末脚を使ったが、イスラボニータと同じく前が開かずに5着まで。それなりの力はみせたレースだったと思う。

 次は6月25日の宝塚記念だ。


安田記念~アンビシャス

2017年06月04日 | 競馬

◎アンビシャス
〇イスラボニータ
▲グレーターロンドン
△ステファノス
△エアスピネル

 本命はG1大阪杯で33秒6という最速の上がりタイムを記録したアンビシャス。去年の安田記念はスローペースでロゴタイプが逃げ切ったが、流石に今年は去年ほど遅くならず、前半と後半がほぼ同じタイムの平均ペースで流れるだろうとみて、自在性と決め手を重視した。
 相手は漸く調子を取り戻したイスラボニータ。上位は間違いないところだが、決め手に欠ける部分があるので頭では買いづらい。
 休み明けを4連勝中の良血馬グレーターロンドン。ソエで出走も危ぶまれたが、それでも出走してくるのは状態がよくなっているとみて単穴とした。ただ、後方から直線だけのレースをするので、平均ペースのこのレースで突き抜けるまではどうか。
 秋の天皇賞で2着と3着に来ている実力馬ステファノスと前哨戦のマイラーズCの勝ち馬エアスピネルブラックスピネルと勝ったり負けたりだが、こちらはダービー4着、菊花賞3着の実績があり、実力的には差がありそうだ。

 馬券はアンビシャスを頭の3連単(4-7、8、15、18)12点勝負