三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

芝居「お気に召すまま」

2019年08月18日 | 映画・舞台・コンサート

 池袋の東京芸術劇場プレイハウスでシェイクスピアの芝居「お気に召すまま」を観劇。前半終了時の感想。
 客席も含めたあちこちに芝居が分散する。個々の芝居を観るのか、全体の雰囲気を感じればいいのか、迷ってしまう。
 台詞が聞き取れない。有名な、人生は舞台、人は皆役者という台詞だけがかろうじて心に残った。
 坂口健太郎は身体を鍛えていて、腹筋も大胸筋も三角筋も見事である。映画やテレビで見るより実物はかなりでかい。役柄のために髭を伸ばしているのがワイルドで、大変に女性にモテそうだ。
 満島ひかりはイメージ通りのガサツな演技。そのおかげで芝居全体がなんともガサツな雰囲気になってしまった。

 さて20分の休憩を挟んで後半がスタート。後半は森が舞台で登場人物も増える。登場人物が喋りまくっているのに何故か退屈だった前半とは打って変わって、後半は俄然楽しくなる。楽屋落ちみたいな台詞もポンポン飛び出して、馬鹿馬鹿しい人間喜劇がとても笑える。下ネタと思しき会話もあって、居酒屋でのふざけ合いみたいな演出だが、悪くない。
 人は愚かだが愛すべき存在だというシェイクスピアの世界観が湧き上がるようで、フィナーレにはとても満足感があった。腐っても鯛。シェイクスピアはシェイクスピアだ。