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オリンパス提携、ソニー・富士フイルム・テルモで争奪 内視鏡事業、成長戦略の柱狙う

2012-01-31 06:49:29 | Weblog
オリンパス提携、ソニー・富士フイルム・テルモで争奪 内視鏡事業、成長戦略の柱狙う 2012年1月31日 日経
 ソニー、富士フイルムホールディングス、テルモが30日までに、損失隠しに伴う決算訂正で自己資本が目減りしたオリンパスに資本・業務提携を提案した。世界シェアの7割を握るオリンパスの内視鏡事業を足場に少子高齢化などで拡大する世界の医療ニーズを取り込み、成長戦略の柱に据える狙いだ。オリンパスの上場維持が決まり提携のリスクが下がったことを受け、業種の異なる3社が名乗りを上げる異例の争奪戦が始まった。
 富士フイルムの中嶋成博専務執行役員は30日開いた2011年4~12月期決算会見で、オリンパス側に資本・業務提携の提案書を同日付で送ったことを明らかにした。
 テルモの羽田野彰士執行役員も同日の決算会見で、2.1%を出資するオリンパスについて「今後も関係は強化していく」と発言。出資比率の引き上げを検討していることを明らかにした。ソニーもオリンパスに対して最大で2~3割の出資を目指す方向で資本・業務提携を提案済みだ。
 ソニーは医療分野でほとんど実績がない。10年2月に細胞分析を手掛ける米バイオベンチャー買収を発表。11年9月には医療診断機器開発の米ベンチャー買収も発表したがいずれも小規模。
 しかし同年1月には医療機器メーカーへの製品販売を統括する「メディカル・ソリューション事業部」を立ち上げ、今後3~5年をめどに医療分野の売上高を1千億円以上に引き上げる目標を掲げる。
 デジタルカメラの「電子の目」である画像センサーで高い独自技術を持っており、提携を通じてオリンパスの内視鏡事業との相乗効果を狙っている。
 富士フイルムは00年前後から主力だった写真フィルムの市場が“蒸発”。それ以降、医療機器や医薬品などのライフサイエンス分野に経営資源を集中投入してきた。過去約10年で総額約7000億円を投じ約30社を買収したが、その過半を同分野につぎ込んだ。
 内視鏡ではオリンパスの70%に次ぐ15%の世界シェアを握る。鼻から入れる細型の「経鼻内視鏡」などが中心のため、口から入れる内視鏡を得意とするオリンパスと相互補完できるとみている。中嶋専務執行役員は「独占禁止法に抵触せずに相乗効果を発揮できる方法がある」と自信を見せた。
 オリンパスとの距離が最も近いのが医療機器国内大手のテルモ。同社はオリンパスに2.1%を出資する大株主。オリンパスとは現在、人工骨の材料の共同研究などで協力関係にある。
 今後具体的な事業計画を策定し提携関係強化を検討している。患者への身体的負担が少ない新領域の研究開発・生産で連携を目指すほか、互いの販売ルートなども活用できるとみており、「両社が提携するメリットは大きい」(羽田野執行役員)としている。
 3社にとってオリンパスとの提携は成長戦略のカギになる。今後は上場維持が決まって「存続の危機」を乗り切ったオリンパスが提携相手を「選ぶ」、異例の展開になりそうだ。




 30日の日経平均の値動きのスレッドでも少し触れましたが、上場維持猶予のついたオリンパスの争奪戦がソニー・富士フィルム・テルモの間で行われる模様です。
 合弁会社を設立して一番距離が近いテルモは提携強化先としては有力としても、テルモ単体でオリンパス全事業を引き受けるのは企業規模的に無理があるでしょうし、富士フィルムは写真フィルムの市場が蒸発して、かってのライバルだった米コダックが連邦破産法11条を申請し事業転換を急ぎたい中、オリンパスの内視鏡事業は喉から手が出る程欲しいでしょうが、こちらは独占禁止法が最大の障害となりそう…。
 ソニーも医療分野に進出するメリットはあるものの、肝心の本業の経営が厳しい中、いずれの有力候補先も単独で引き受けるにはいささかオリンパスという会社は大きすぎるように思いますが、この3社の中のどの会社がオリンパスの内視鏡事業という成長事業を支えていくことになるのか。こちらの争奪戦も見物ですね。

岩国市長選、福田氏が再選 艦載機移駐反対の2氏破る

2012-01-31 05:07:25 | Weblog
岩国市長選、福田氏が再選 艦載機移駐反対の2氏破る 2012年1月30日 朝日
http://www.asahi.com/politics/update/0129/SEB201201290026.html
 米軍岩国基地のある山口県岩国市の市長選は29日、投開票され、現職の福田良彦氏(41)が、空母艦載機部隊の岩国移駐に反対する元職の井原勝介氏(61)と新顔で共産推薦の吉岡光則氏(66)=いずれも無所属=を破り、再選を果たした。投票率は64.01%。
 岩国基地には、米軍再編に伴って2014年までに艦載機部隊が厚木基地から移駐して来る予定。福田氏は受け入れについて国と協議する姿勢を示し、他の2氏は反対の立場だった。
 当選を決めた福田氏は、事務所で万歳三唱の後、「今回は身近な生活問題を中心に訴えた。もう対立はいらない。一緒に夢と希望が持てる岩国をつくっていきましょう」と呼びかけた。艦載機移駐については「騒音など市民の負担を軽減するよう県と連携していきたい」と話した。
★山口県岩国市 市長選挙結果
当 42257 福田良彦(41)無現
  30656 井原勝介(61)無元
  2472 吉岡光則(66)無新=共産推薦



 山口県岩国市は、2006年3月に旧岩国市と由宇町・玖珂町・本郷村・周東町・錦町・美川町・美和町の8市町村が新設合併して誕生した県東部の広島県に隣接する人口約14.2万人程の市で、市長選は現職で41歳の福田良彦氏に対して、元職で61歳の井原勝介氏、共産党が推薦する66歳の吉岡光則氏による争いとなりましたが、
 米軍再編で米空母艦載機59機などが移転する岩国基地問題を巡って「市民の対決をなくし気持ちを1つにし新しいまちづくりをしたい」と移転容認派の福田良彦氏が42257票を獲得し、
 反対派の元職で「岩国は政治が悪くて元気がない。市民税10%を減税し新しい街づくりを前進させたい」と主張して30656票を獲得した井原勝介氏、
 同じく移転反対派で「艦載機NOの大義を貫き平和で豊かな岩国を目指す」と訴え2472票を獲得した吉岡光則氏 の2氏を破り再選を決めました。

 戦前の1938年から海軍基地の建設が始まるなど元々海軍のマチとして成長し続け、戦後も米国を含めた連合国各国の空軍が駐留するなど、沖縄同様基地のマチとして生きてきた岩国の市民は現職の福田氏を選びましたが、かって関係の深かった広島市とのつながりもやや薄まりつつある中、世論を二分しながらもマチとして生き残っていくための現実的な選択肢を選んだと受け止めるのが妥当なのかな…と感じます。