中国出身の河野容疑者「ICの名前分からない」2012年5月2日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120502-OYT1T00694.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で起きたバス事故で、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手河野化山かざん容疑者(43)(千葉市中央区新宿)が「事故の瞬間はうとうとしていた」と供述していることが県警への取材でわかった。
なぜ居眠り運転につながったのか、県警は事故前の行動などを調べている。
県警幹部らによると、河野容疑者は、4月29日未明に事故が起きるまでのルートについて、出発地のJR金沢駅前から一般道を経て、富山県のJR高岡駅前でさらに客を乗せた後、「高岡駅から一番近いインターチェンジ(IC)で高速に乗った」と説明している。出発から事故までの約6時間半の間に、「15分ずつ計3回休憩した」「最初は、高岡から一番近い休憩所に入った」とも供述。しかし、利用したICや休憩場所については「名前は分からない」と話しているという。
河野容疑者は中国出身で、日本語は日常会話をこなせる程度だという。県警は、不慣れなルートをカーナビゲーションを頼りに走行していた可能性が高いとみている。
「走りやすいから」 遠回りの関越道走行、運転手供述 2012年5月2日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050217110023-n1.htm
群馬県の関越自動車道で7人が死亡したバス事故で、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手河野化山容疑者(43)が、運行指示書のルートの上信越道ではなく関越道を通った理由について「走りやすいから」と説明していることが2日、県警への取材で分かった。
「お客さん、バス会社、社長に申し訳ない」と謝罪の言葉を述べていることも判明。県警は同容疑で河野容疑者を3日に送検し、事故に至る経緯を詳細に調べる。
県警によると、河野容疑者は「これまでに富山県と新潟県にそれぞれ10回程度行き、そのほとんどで高速道を使った」と供述。東日本高速道路によると、上信越道は関越道にない片側1車線の対面通行区間があり、群馬、長野県境はトンネルとカーブが続いている。上信越道経由の方が約30キロ距離は短くなるが、河野容疑者は関越道を走行していた。
睡魔と闘うバス運転手「1人での運行怖い」2012年5月2日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120502-OYT1T00699.htm
「格安」が魅力のツアーバスは、関越自動車道で7人が死亡した事故があった後も、大型連休の行楽客、帰省客に人気だ。
「事故が心配」との不安の声がある中、東京駅周辺のバス発着場では安さや手軽さを求めて多くの人たちが行列を作っている。一方で、運転手らは、眠気をこらえて走ることも少なくないと話す。
◆運動やガム
「事故はいつか起きるのではないかと思っていた。夜行、特に1人での運行は本当に怖い」と話すのは、東北道・羽生パーキングエリア(PA、埼玉県羽生市)で2日未明、取材に応じた男性運転手(33)。仙台から千葉県の東京ディズニーリゾートに向かう途中で、運転手2人が1時間半~2時間で交代するようにしているが、どうしても眠い時は早めに代わったり、バスを止めたりするほか、もう一人の運転手と話したり、ガムやアメを口に入れ体に刺激を与えるようにしている。
東京駅周辺では1日夜、これから四国方面に向かうという男性運転手(38)が「眠くなったら必ず止まる。一般道なら、とりあえずバスから降り、金づちを持ってタイヤを点検しているふりをする」と話し、少しでも体を動かし、眠気を紛らすと打ち明けた。
最近では旅行会社側の求めで停車箇所が多くなる傾向もあるという。ある運転手によると、バスを止めて乗客が乗り降りする場所が5か所から9か所に増えるなどして休憩時間が削られたといい、「やれと言われればやるしかないが、今回の事故を受けて休憩時間の面も見直してほしい」と漏らした。
「運転手側の席選んだ」…夜行ツアーの乗客 2012年5月2日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120502-OYT1T00703.htm
東京・丸の内の商業ビルの一角。1日午後8時過ぎには、ツアーバスが路肩に列を作り始める。
9時から10時台にかけては、多い時で6、7台が並んだ。
午後10時30分発の大阪行きバス。料金は、新幹線指定席の片道1万4250円に対し、4分の1以下の3500円。バスを待っていた大阪府寝屋川市の男性会社員(23)は、東京に住む遠距離恋愛中の女性に会うため利用した。「彼女に『バスはやめたら』と言われたけど、運転手が2人いる会社なので危険とは思わないし、値段が格段に安い」と話した。
東京駅の八重洲中央口前でも10時過ぎ、路線バスの停留所のある道路の真向かいの路肩に、200メートル以上にわたってツアーバスが並んだ。周囲の歩道は指定された集合場所となっているが、同じ大きさのバスが多いため、中にはバスを間違えそうになる客もいた。
2日午前4時過ぎ、東名高速の足柄サービスエリア(SA、静岡県御殿場市)。兵庫県姫路市から乗ってきた会社員男性(48)は「群馬県の事故の死傷者が運転手と反対側の列に多かったので、座席はあえて運転手側の列を選んだ」と話した。
ツアーバス問題点通知の勧告、国交省が放置 2012年5月2日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120501-OYT1T01495.htm
関越自動車道の事故で問題が指摘されているツアーバスについて、国土交通省が約1年半前に、旅行業者を指導する観光庁に対し、問題点の通知を徹底するよう総務省から勧告されながら、通知を一度も行っていなかったことが1日、わかった。
総務省は「事業者への監視が甘い」としている。
ツアーバスを運行する貸し切りバス事業者は、道路運送法に基づく規制を受ける一方、ツアーを企画する旅行業者は同法の規制を受けず、指導・監督は旅行業法に基づいて観光庁が行う。
旅行業者からの無理な要求を断れなかったバス事業者が、運転手に最長乗務時間を守らせないなど法令に違反する恐れがあるとして、国交省は2008年10月、法令違反に旅行業者の関与が疑われる場合は、観光庁に通知する制度を整えた。
さらに、総務省は10年9月の行政評価で、国交省から観光庁への通知や、旅行業者の指導を徹底するよう勧告。総務省の調査では、バス事業者から「旅行業者の計画や契約内容では、速度違反や運転手の最長乗務時間違反をせざるを得ない」といった声が出るなど、旅行業者側の問題が複数発覚したという。
国交省はこれまで、「ツアー計画と法令違反の関連を立証するのが困難」として、観光庁への通知を一度も行っていなかった。総務省は「こちらの調査では疑わしいケースが見つかっている。厳しくチェックすれば見抜けるはず」としている。
関越道バス事故:逮捕の運転手 バス運行歴は4年 毎日新聞 2012年05月02日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20120502k0000m040075000c.html
群馬県警によると、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された河野化山(こうの・かざん)容疑者(43)は元中国籍で93年12月に来日、94年に日本国籍を取得したと供述している。通常の日常会話はできるが、難しい日本語は理解できないといい、取り調べは中国語通訳を通じて行っている。中国残留孤児の家族という情報もある。
住民基本台帳上の自宅は千葉市中央区の住宅街にある。3階建ての1、2階は中国料理店。だが県警によると、現在の居住実態は不明。近所の女性は「あいさつをしてくれておとなしい人だった」と話す。
この女性らによると、以前は妻が料理店を切り盛りしていた。だが現在は店を賃貸しているとみられるという。
同店と取引がある千葉県内の男性によると、河野容疑者は自身の職業を「バスを所有し旅行会社も経営しているオーナー」と説明していた。この男性は事故後初めて「バスの運転手」との報道に接し、驚いたという。
日本語が不自由…運転手はなぜ大型2種免許を取れたのか 2012年5月3日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120503/dst12050310280005-n1.htm
群馬県の関越自動車道の高速ツアーバス事故を受け、国土交通省は2日、ツアーバスの運行を請け負う全国のバス会社約200社を対象に来週にも行う重点監査の中で、日本語の不自由な運転手が雇用されていないかどうか初めて実態調査する方針を固めた。自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された河野化山容疑者(43)が、日本語が不自由とみられることが判明したため。事故や火災など緊急時に日本語の能力は欠かせないとして、国交省は日本語能力と安全をめぐる監査に乗り出す。
言語能力に規制なし
国交省によると、全国で約4000社ある貸し切りバス会社のうち、高速道路を使い、長距離のツアーバス運行を請け負うのは約200社。重点監査は、運転手の運転時間と距離の指針が守られているかどうかや、交代要員の有無など労務管理の実態を調査。その中で、運転手が言語能力の面で運行上の安全に関する規則を理解しているかどうかについても調べることにした。
国交省によると、バス運転手の言語能力そのものを規制する法令はない。大型バスなどを運転できる旅客用の大型2種免許を取得すれば、運転に必要な言語能力について「事実上、担保されたことになる」(安全政策課)ためだ。
バス会社は、道路運送法の施行規則で運転手に安全の面で適切な指導をすることが求められている。仮に会社が日本語の不自由な運転手に運行ルートなどの指示をした際、理解不足であることを知りながら雇っていたことが判明した場合は、同法違反となり行政処分を受ける可能性がある。
国交省幹部の一人は「日本語すら理解できない者が、道路運送法で定められた安全に関する事項を理解しているかどうかは大変な疑問がある」と強調。その上で「そういった運転手の実態を監査を通じて把握し、バス会社が適切な安全管理をしているか明らかにしたい」としている。
「仕事上、問題ない」
群馬県警捜査本部の調べによると、河野容疑者は中国で普通免許を所持。日本国籍を取得した翌年の平成7年3月、日本の普通免許へ切り替えた。
12年ごろ大型1種を取得し、21年7月に大型2種を取得。バスの運転歴は約2年で、昨年7月に千葉県印西市のバス会社「陸援隊」の従業員になったと供述した。同社には当初、中国や台湾人観光客向けの運転手として雇われていたとみられる。
また「富山県の方には10回くらい仕事や私用で来ている。新潟にも10回くらい来ている。ほとんど高速道路だった」とも話した。
取り調べは中国語の通訳を介して行われ、日本語の理解度について「仕事上、生活上は問題ない。一般的な漢字も書ける。平仮名よりも漢字の方が分かりやすい」と供述した。
だが、事故を起こしたバスの車内アナウンスは、乗客の証言から、あやふやなものだったことが分かっている。取り調べでも難しい日本語は理解できていないといい、捜査幹部は日本語能力に疑問を呈している。
漢字が読めれば
警察庁によると、バスやタクシーといった旅客自動車を運転できる2種免許は、国籍に関係なく1種の取得から原則として3年経てば受験資格が得られる。2種の学科試験は、故障のために踏切内で車が動かなくなったときの旅客の誘導といった運転手としての心得に関する質問が全体の4分の1を占めるという。
日本語が不自由でありながら、なぜ大型バスさえ運転できる大型2種を取得できたのか。
関東地方の自動車教習所の男性担当者は「不思議に思うだろうが、日本語が話せなくても中国人は漢字が読めるので学科試験に合格できる」と打ち明ける。
この教習所は中国語の交通教本を用意。乗務員の禁止行為など運輸規則を覚える必要があるものの、担当者は「平仮名で書かれた文末の微妙な言い回しに苦労することはあるが、大型2種の教習コースを経て実際に合格者もいる」という。
「1カ月でOK」
中国系の商業施設が集まる東京・北池袋の「永安自動車教習所」では、受付の中国人女性、張哲さん(26)が「日本語が全然分からなくても大丈夫。中国人の先生が通訳しながら指導するので最短1カ月で取れます」と笑顔で話した。
陸援隊と同様、「インバウンド」と呼ばれる外国人客向け業務を行う千葉県のバス会社の女性社員は「県内だけでも日本国籍を取得した運転手を何人か知っている」。埼玉県の同種のバス会社の男性課長は「運転手を採用する際、免許証は確認するが国籍取得はチェックしない」という。
一方、鉄道の運転士は外国籍の人にも門戸が開かれているが、国交省の担当者は「日本語がうまく話せない人はいない」と話す。運転士になるために必要な「動力車操縦者運転免許」の試験では、難解な専門用語の意味などを記述しなければならないためだ。鉄道会社の指定養成所でも学科講習を400時間以上受けなければならず、担当者は「日本語が分からなければ、まず試験には受からない」という。
公益財団法人日本バス協会の船戸裕司常務理事(62)は「火災などの緊急時は乗客を速やかに誘導しなければならない。日本語を話せない運転手を1人で乗務させていたとは信じられない」と話すが、陸援隊のように非加盟のバス会社も多い。状況さえ把握し切れていないのが現状だ。
う~ん。いくら中国残留孤児の家族で帰化した方といっても、来日が93年12月で94年に国籍取得となれば日本に来て18年以上になるわけですし、100歩譲って周囲にチャイナタウンがあり日本語を覚えなくても日常生活に困らない環境にあったとしても、これだけ長期間日本で生活していて難しい日本語が理解できないということ自体、私には信じられないのですが、万が一にも罪刑を少しでも軽くするために日本語がわからない振りをしてとぼけているのならば絶対に許されない卑劣な行為ですし、そのあたりの事情も近所への聞き込みを行うなど慎重に調べた方がいいと個人的には思いますね。
別に中国残留孤児の家族で帰化した方だから…という理由で差別するつもりは毛頭ありませんが、日本に18年も住んでいて漢字の地名が読めないというのは日本語に慣れていないというよりも単に覚える気がないだけなんじゃ? という気もしなくもありませんし、荷物を運ぶトラックの運転手と人を運ぶ高速バスの運転手とでは同じ高速道路を移動するのでも、求められる基礎スペックは大幅に変わってくるはず。
言葉の不自由が多少なりとも事故につながったかどうかは現時点では不明ですが、高速バスをよく利用する1人としては、日本語が十分理解できない方が運転していると考えるだけでもゾッとしますし、今後二度と同じ惨劇が起きないようにするためにも、バス運転手に対しては、通常の大型2種免許に加えて十分な日本語のコミュニケーション能力も重ねて求めるといった制度改正も真剣に検討していく必要もあるのではないだろうか…などとついつい考えてしまいます。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120502-OYT1T00694.htm
群馬県藤岡市の関越自動車道で起きたバス事故で、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手河野化山かざん容疑者(43)(千葉市中央区新宿)が「事故の瞬間はうとうとしていた」と供述していることが県警への取材でわかった。
なぜ居眠り運転につながったのか、県警は事故前の行動などを調べている。
県警幹部らによると、河野容疑者は、4月29日未明に事故が起きるまでのルートについて、出発地のJR金沢駅前から一般道を経て、富山県のJR高岡駅前でさらに客を乗せた後、「高岡駅から一番近いインターチェンジ(IC)で高速に乗った」と説明している。出発から事故までの約6時間半の間に、「15分ずつ計3回休憩した」「最初は、高岡から一番近い休憩所に入った」とも供述。しかし、利用したICや休憩場所については「名前は分からない」と話しているという。
河野容疑者は中国出身で、日本語は日常会話をこなせる程度だという。県警は、不慣れなルートをカーナビゲーションを頼りに走行していた可能性が高いとみている。
「走りやすいから」 遠回りの関越道走行、運転手供述 2012年5月2日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120502/dst12050217110023-n1.htm
群馬県の関越自動車道で7人が死亡したバス事故で、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された運転手河野化山容疑者(43)が、運行指示書のルートの上信越道ではなく関越道を通った理由について「走りやすいから」と説明していることが2日、県警への取材で分かった。
「お客さん、バス会社、社長に申し訳ない」と謝罪の言葉を述べていることも判明。県警は同容疑で河野容疑者を3日に送検し、事故に至る経緯を詳細に調べる。
県警によると、河野容疑者は「これまでに富山県と新潟県にそれぞれ10回程度行き、そのほとんどで高速道を使った」と供述。東日本高速道路によると、上信越道は関越道にない片側1車線の対面通行区間があり、群馬、長野県境はトンネルとカーブが続いている。上信越道経由の方が約30キロ距離は短くなるが、河野容疑者は関越道を走行していた。
睡魔と闘うバス運転手「1人での運行怖い」2012年5月2日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120502-OYT1T00699.htm
「格安」が魅力のツアーバスは、関越自動車道で7人が死亡した事故があった後も、大型連休の行楽客、帰省客に人気だ。
「事故が心配」との不安の声がある中、東京駅周辺のバス発着場では安さや手軽さを求めて多くの人たちが行列を作っている。一方で、運転手らは、眠気をこらえて走ることも少なくないと話す。
◆運動やガム
「事故はいつか起きるのではないかと思っていた。夜行、特に1人での運行は本当に怖い」と話すのは、東北道・羽生パーキングエリア(PA、埼玉県羽生市)で2日未明、取材に応じた男性運転手(33)。仙台から千葉県の東京ディズニーリゾートに向かう途中で、運転手2人が1時間半~2時間で交代するようにしているが、どうしても眠い時は早めに代わったり、バスを止めたりするほか、もう一人の運転手と話したり、ガムやアメを口に入れ体に刺激を与えるようにしている。
東京駅周辺では1日夜、これから四国方面に向かうという男性運転手(38)が「眠くなったら必ず止まる。一般道なら、とりあえずバスから降り、金づちを持ってタイヤを点検しているふりをする」と話し、少しでも体を動かし、眠気を紛らすと打ち明けた。
最近では旅行会社側の求めで停車箇所が多くなる傾向もあるという。ある運転手によると、バスを止めて乗客が乗り降りする場所が5か所から9か所に増えるなどして休憩時間が削られたといい、「やれと言われればやるしかないが、今回の事故を受けて休憩時間の面も見直してほしい」と漏らした。
「運転手側の席選んだ」…夜行ツアーの乗客 2012年5月2日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120502-OYT1T00703.htm
東京・丸の内の商業ビルの一角。1日午後8時過ぎには、ツアーバスが路肩に列を作り始める。
9時から10時台にかけては、多い時で6、7台が並んだ。
午後10時30分発の大阪行きバス。料金は、新幹線指定席の片道1万4250円に対し、4分の1以下の3500円。バスを待っていた大阪府寝屋川市の男性会社員(23)は、東京に住む遠距離恋愛中の女性に会うため利用した。「彼女に『バスはやめたら』と言われたけど、運転手が2人いる会社なので危険とは思わないし、値段が格段に安い」と話した。
東京駅の八重洲中央口前でも10時過ぎ、路線バスの停留所のある道路の真向かいの路肩に、200メートル以上にわたってツアーバスが並んだ。周囲の歩道は指定された集合場所となっているが、同じ大きさのバスが多いため、中にはバスを間違えそうになる客もいた。
2日午前4時過ぎ、東名高速の足柄サービスエリア(SA、静岡県御殿場市)。兵庫県姫路市から乗ってきた会社員男性(48)は「群馬県の事故の死傷者が運転手と反対側の列に多かったので、座席はあえて運転手側の列を選んだ」と話した。
ツアーバス問題点通知の勧告、国交省が放置 2012年5月2日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120501-OYT1T01495.htm
関越自動車道の事故で問題が指摘されているツアーバスについて、国土交通省が約1年半前に、旅行業者を指導する観光庁に対し、問題点の通知を徹底するよう総務省から勧告されながら、通知を一度も行っていなかったことが1日、わかった。
総務省は「事業者への監視が甘い」としている。
ツアーバスを運行する貸し切りバス事業者は、道路運送法に基づく規制を受ける一方、ツアーを企画する旅行業者は同法の規制を受けず、指導・監督は旅行業法に基づいて観光庁が行う。
旅行業者からの無理な要求を断れなかったバス事業者が、運転手に最長乗務時間を守らせないなど法令に違反する恐れがあるとして、国交省は2008年10月、法令違反に旅行業者の関与が疑われる場合は、観光庁に通知する制度を整えた。
さらに、総務省は10年9月の行政評価で、国交省から観光庁への通知や、旅行業者の指導を徹底するよう勧告。総務省の調査では、バス事業者から「旅行業者の計画や契約内容では、速度違反や運転手の最長乗務時間違反をせざるを得ない」といった声が出るなど、旅行業者側の問題が複数発覚したという。
国交省はこれまで、「ツアー計画と法令違反の関連を立証するのが困難」として、観光庁への通知を一度も行っていなかった。総務省は「こちらの調査では疑わしいケースが見つかっている。厳しくチェックすれば見抜けるはず」としている。
関越道バス事故:逮捕の運転手 バス運行歴は4年 毎日新聞 2012年05月02日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20120502k0000m040075000c.html
群馬県警によると、自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された河野化山(こうの・かざん)容疑者(43)は元中国籍で93年12月に来日、94年に日本国籍を取得したと供述している。通常の日常会話はできるが、難しい日本語は理解できないといい、取り調べは中国語通訳を通じて行っている。中国残留孤児の家族という情報もある。
住民基本台帳上の自宅は千葉市中央区の住宅街にある。3階建ての1、2階は中国料理店。だが県警によると、現在の居住実態は不明。近所の女性は「あいさつをしてくれておとなしい人だった」と話す。
この女性らによると、以前は妻が料理店を切り盛りしていた。だが現在は店を賃貸しているとみられるという。
同店と取引がある千葉県内の男性によると、河野容疑者は自身の職業を「バスを所有し旅行会社も経営しているオーナー」と説明していた。この男性は事故後初めて「バスの運転手」との報道に接し、驚いたという。
日本語が不自由…運転手はなぜ大型2種免許を取れたのか 2012年5月3日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120503/dst12050310280005-n1.htm
群馬県の関越自動車道の高速ツアーバス事故を受け、国土交通省は2日、ツアーバスの運行を請け負う全国のバス会社約200社を対象に来週にも行う重点監査の中で、日本語の不自由な運転手が雇用されていないかどうか初めて実態調査する方針を固めた。自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された河野化山容疑者(43)が、日本語が不自由とみられることが判明したため。事故や火災など緊急時に日本語の能力は欠かせないとして、国交省は日本語能力と安全をめぐる監査に乗り出す。
言語能力に規制なし
国交省によると、全国で約4000社ある貸し切りバス会社のうち、高速道路を使い、長距離のツアーバス運行を請け負うのは約200社。重点監査は、運転手の運転時間と距離の指針が守られているかどうかや、交代要員の有無など労務管理の実態を調査。その中で、運転手が言語能力の面で運行上の安全に関する規則を理解しているかどうかについても調べることにした。
国交省によると、バス運転手の言語能力そのものを規制する法令はない。大型バスなどを運転できる旅客用の大型2種免許を取得すれば、運転に必要な言語能力について「事実上、担保されたことになる」(安全政策課)ためだ。
バス会社は、道路運送法の施行規則で運転手に安全の面で適切な指導をすることが求められている。仮に会社が日本語の不自由な運転手に運行ルートなどの指示をした際、理解不足であることを知りながら雇っていたことが判明した場合は、同法違反となり行政処分を受ける可能性がある。
国交省幹部の一人は「日本語すら理解できない者が、道路運送法で定められた安全に関する事項を理解しているかどうかは大変な疑問がある」と強調。その上で「そういった運転手の実態を監査を通じて把握し、バス会社が適切な安全管理をしているか明らかにしたい」としている。
「仕事上、問題ない」
群馬県警捜査本部の調べによると、河野容疑者は中国で普通免許を所持。日本国籍を取得した翌年の平成7年3月、日本の普通免許へ切り替えた。
12年ごろ大型1種を取得し、21年7月に大型2種を取得。バスの運転歴は約2年で、昨年7月に千葉県印西市のバス会社「陸援隊」の従業員になったと供述した。同社には当初、中国や台湾人観光客向けの運転手として雇われていたとみられる。
また「富山県の方には10回くらい仕事や私用で来ている。新潟にも10回くらい来ている。ほとんど高速道路だった」とも話した。
取り調べは中国語の通訳を介して行われ、日本語の理解度について「仕事上、生活上は問題ない。一般的な漢字も書ける。平仮名よりも漢字の方が分かりやすい」と供述した。
だが、事故を起こしたバスの車内アナウンスは、乗客の証言から、あやふやなものだったことが分かっている。取り調べでも難しい日本語は理解できていないといい、捜査幹部は日本語能力に疑問を呈している。
漢字が読めれば
警察庁によると、バスやタクシーといった旅客自動車を運転できる2種免許は、国籍に関係なく1種の取得から原則として3年経てば受験資格が得られる。2種の学科試験は、故障のために踏切内で車が動かなくなったときの旅客の誘導といった運転手としての心得に関する質問が全体の4分の1を占めるという。
日本語が不自由でありながら、なぜ大型バスさえ運転できる大型2種を取得できたのか。
関東地方の自動車教習所の男性担当者は「不思議に思うだろうが、日本語が話せなくても中国人は漢字が読めるので学科試験に合格できる」と打ち明ける。
この教習所は中国語の交通教本を用意。乗務員の禁止行為など運輸規則を覚える必要があるものの、担当者は「平仮名で書かれた文末の微妙な言い回しに苦労することはあるが、大型2種の教習コースを経て実際に合格者もいる」という。
「1カ月でOK」
中国系の商業施設が集まる東京・北池袋の「永安自動車教習所」では、受付の中国人女性、張哲さん(26)が「日本語が全然分からなくても大丈夫。中国人の先生が通訳しながら指導するので最短1カ月で取れます」と笑顔で話した。
陸援隊と同様、「インバウンド」と呼ばれる外国人客向け業務を行う千葉県のバス会社の女性社員は「県内だけでも日本国籍を取得した運転手を何人か知っている」。埼玉県の同種のバス会社の男性課長は「運転手を採用する際、免許証は確認するが国籍取得はチェックしない」という。
一方、鉄道の運転士は外国籍の人にも門戸が開かれているが、国交省の担当者は「日本語がうまく話せない人はいない」と話す。運転士になるために必要な「動力車操縦者運転免許」の試験では、難解な専門用語の意味などを記述しなければならないためだ。鉄道会社の指定養成所でも学科講習を400時間以上受けなければならず、担当者は「日本語が分からなければ、まず試験には受からない」という。
公益財団法人日本バス協会の船戸裕司常務理事(62)は「火災などの緊急時は乗客を速やかに誘導しなければならない。日本語を話せない運転手を1人で乗務させていたとは信じられない」と話すが、陸援隊のように非加盟のバス会社も多い。状況さえ把握し切れていないのが現状だ。
う~ん。いくら中国残留孤児の家族で帰化した方といっても、来日が93年12月で94年に国籍取得となれば日本に来て18年以上になるわけですし、100歩譲って周囲にチャイナタウンがあり日本語を覚えなくても日常生活に困らない環境にあったとしても、これだけ長期間日本で生活していて難しい日本語が理解できないということ自体、私には信じられないのですが、万が一にも罪刑を少しでも軽くするために日本語がわからない振りをしてとぼけているのならば絶対に許されない卑劣な行為ですし、そのあたりの事情も近所への聞き込みを行うなど慎重に調べた方がいいと個人的には思いますね。
別に中国残留孤児の家族で帰化した方だから…という理由で差別するつもりは毛頭ありませんが、日本に18年も住んでいて漢字の地名が読めないというのは日本語に慣れていないというよりも単に覚える気がないだけなんじゃ? という気もしなくもありませんし、荷物を運ぶトラックの運転手と人を運ぶ高速バスの運転手とでは同じ高速道路を移動するのでも、求められる基礎スペックは大幅に変わってくるはず。
言葉の不自由が多少なりとも事故につながったかどうかは現時点では不明ですが、高速バスをよく利用する1人としては、日本語が十分理解できない方が運転していると考えるだけでもゾッとしますし、今後二度と同じ惨劇が起きないようにするためにも、バス運転手に対しては、通常の大型2種免許に加えて十分な日本語のコミュニケーション能力も重ねて求めるといった制度改正も真剣に検討していく必要もあるのではないだろうか…などとついつい考えてしまいます。