ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

復興増税前倒し廃止を批判 公明・山口代表

2013-09-20 19:32:11 | Weblog
復興増税前倒し廃止を批判 公明・山口代表 2013年9月20日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0920/TKY201309200069.html
 公明党の山口那津男代表は20日、安倍政権が消費増税に備え、法人税に上乗せしている復興増税を前倒しで廃止する検討をしていることに「いきなり前倒しで、しかも法人の部分だけ。国民が納得いくのか大いに疑問だ」と批判した。
 東京都内で記者団に語った。山口氏は「消費税で負担を求め、所得税でも負担を残し、そして法人だけ軽くする。国民の理解を得るのは難しいのではないか」とも強調。政府からは説明を受けていないとし、「説明がなされないままに方針が決められていくということには首をかしげざるをえない」と述べた。
 一方、甘利明経済再生相は閣議後の記者会見で、復興増税の前倒し廃止について「被災地の対策予算を取り上げてしまうということではない。その予算を確保する」と述べた。



 私は、別に公明党の支持者ではありませんが、「いきなり前倒しで、しかも法人の部分だけ。国民が納得いくのか大いに疑問だ」の部分。こればかりは全くもって同感です。
 そもそも復興特別税そのものが、2011年03月11日に発生した東日本大震災の復興に充てるための財源を確保するために、発案から1年も経たずに半ば強引に成立・施行させた法律。
*11年11月30日に参議院本会議で復興財源確保法、地方財確法が可決、成立→ 2011年12月2日:復興財源確保法、地方財確法が公布 → 2012年1月25日:復興特別法人税に関する政令、省令が公布 → 2012年4月1日:同法施行 → 2013年1月1日:(個人に対する)復興特別所得税の課税導入
 甘利明経済再生担当大臣は「被災地の対策予算を取り上げてしまうということではない。その予算を確保する」などと弁明したようですが、そもそも税率が異なるからといって、法人は3年間、個人は25年間の長期間と期間の長さが全然異なるという時点で、一見同じような企業形態でも法人成りしている企業と個人事業のまま事業を続けている方を差別しているというのに、これ以上不当な格差を設けても個人事業主や法人成りしていない企業、そしてなすすべもなく源泉徴収されてしまうサラリーマンやOLの反発を食らうだけでしょう。
 税制を変更するなら、法人だけでなく個人にかかる税金も含めて慎重に負担のバランスを考慮の上、社会的弱者の方が不利益を被らないように配慮すべきでしょう!




消費増税対策で法人税減税検討、復興増税分前倒し終了も

2013-09-20 09:19:08 | Weblog
消費増税対策で法人税減税検討、復興増税分前倒し終了も 2013年09月19日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/economicPolicies/idJPL3N0HF02T20130919
 政府は来春の消費増税の前提となる5兆円規模の経済対策の一環として、法人税引き下げの検討に入った。安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務・金融担当相が18日に首相官邸で協議した。東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため2014年度まで上乗せしている復興特別法人税の1年前倒し廃止を含め、検討する。政府関係者が19日、ロイターの取材に対して明らかにした。

<法人実効税率引き下げ、首相が主張>
 政府は来年4月に消費税率を現行の5%から8%に予定通り引き上げる意向。ただ1%の消費増税は2.7兆円の税収増をもたらすため、3%の増税は約8兆円の国民負担増となる。首相周辺は3%の増税はデフレ脱却の芽を摘みかねないとして、約2%分にあたる5兆円規模の経済対策を編成し、国民に還元することで景気への悪影響を抑えたい考えだ。
 足元で焦点となっているのが、5兆円規模の経済対策の内容。関係筋によると、安倍首相は18日午後の麻生財務相との会談で、企業の競争力強化を狙った法人税率の引き下げに重ねて意欲を表明。これに対して財務相は、消費増税と法人税減税の同時実施は国民の理解が得にくいなどとして慎重な姿勢を示したとみられる。
 法人税減税に関して政府は、復興特別法人税廃止の1年前倒しも検討する。これを廃止すれば実効税率ベースで2%強の法人税引き下げとなる。
 また、投資減税や賃上げした企業への減税については、拡充措置を盛り込む考えだ。賃上げした企業への減税は、これまで5%以上の賃上げが対象となっていたが、政府関係者の1人は、2、3%への引き下げにより対象を拡大する措置を検討していることを明らかにしている。

<早期の法人税減税に根強い慎重論>
 早期の法人税減税をめぐっては、政府・与党内に慎重論も根強い。「税率引き下げが企業の底力を高め、将来的には税収増にもつながる」(経済官庁幹部)などとして、首相をはじめ甘利明経済再生相らが導入に前向きだ。
 だが、財務省や一部与党関係者は、税収の減少が財政健全化の遅れや市場からの信認低下につながりかねないと主張し、政府・与党内なでの意見対立が表面化している。
 慎重派の中には、復興増税の前倒し終了が被災地を含む国民の理解を得られるか、疑問視する声もある。「最終的には首相判断になるが、政府の統一見解としてまとめるには時間がかかる」(与党幹部)との見方もある。
 公明党の山口那津男代表も19日、法人実効税率下げは「重要な課題だが、むしろ中期的な展望の中で効果的なタイミングを計るべきだと話してきた」と指摘。「(消費税率)8%への引き上げの段階で、直ちに行うかはこれまで(自公税調などで)議論になっておらず、与党側には慎重な意見が強い。政府側の考えを聞きながら、最終的には税制協議会などで議論を詰めていくことだと思う」としている。

<簡素な給付金、1万円以上も検討へ> 
 消費税率の8%への引き上げに伴う低所得者対策である簡素な給付措置については、1人あたり原則1万円の現金を支給する方向で議論されていたが、政府はさらなる拡充措置も検討する方向だ。
 同給付金についてはバラマキ批判も根強いが、円安を背景とした物価上昇が続くなかで、消費増税が消費の腰折れにつながることを懸念する首相周辺で重視されている。


賃上げ3%で法人税減税…復興増税廃止前倒しへ 2013年9月19日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130919-OYT1T00778.htm
 政府・与党は、来年4月からの消費税率引き上げに備え、今月末にまとめる経済対策として、賃上げなどで人件費を3%以上増やした企業の法人税を軽減する方針を固めた。
 適用条件を現在の「5%以上」から緩和して、企業の賃上げの動きを後押しし、デフレ脱却につなげる。震災復興財源を確保するため2014年度まで上乗せする復興特別法人税を、1年前倒しで廃止する方向でも調整に入った。
 人件費を増やした企業に対する法人税の軽減措置は「所得拡大促進税制」と呼ばれ、2013年度から3年間の時限措置として導入された。従業員の給与やボーナスなどを5%以上増やした場合、増額分の10%をその事業年度の法人税額から差し引ける。



 う~ん。法人税や法人事業税の表面税率引き下げが財務省などの抵抗で難しいとでも思ったのか、政府与党(安倍首相)がとんでもないことを言い出しましたね…(吃驚
 まあ、賃上げなどで人件費を3%以上増やした企業の法人税を軽減する方針については、『頑張っている企業に報いたい』という建前と働き手の自分自身の収入増にもつながる可能性などを考慮すると、まだ国民に受け入れられる余地もあるかもしれませんが、復興特別法人税の前倒し終了に至っては、今は消費税増税を控えた大事な時期だからこそ、来年4月の8%への増税、そして10%への引き上げを阻害する材料は極力取り払うべきでしょうし、それでなくとも個人の負担が増えて法人の負担が減ることを面白く思わない庶民が少なくないのに一体何を考えているのだか…(呆れ

 参考までに復興特別法人税は期間こそ平成24年4月1日から平成27年3月31日までの3年間に留まるものの、その金額は法人税の額に10%の税率を乗じて算出するもの(仮に法人税が100万円なら復興特別法人税10万円が加算されて一緒に徴収することになります)ですが、実は個人の収入に対しても、復興特別所得税というものが徴収されていてその金額は基準所得税額×2.1%で平成25年~平成49年分までの25年間にわたる長期間にわたって徴収することになっていて、前倒し終了するならこちらも同時に終了しなければ公平性が保てませんが、そうなると東北復興の財源をどう作り出すかの問題が出てきます。
 高い支持率に浮かれることなく淡々と経済の回復に努める。国のリーダーたるもの。声の大きい方の陳情に振り回されるのではなく長期的視点で財政を考えて欲しいものだと思います。

新興国市場が上昇、米FRB緩和縮小見送り受け アナリストはキャリートレード活性化を予想

2013-09-20 08:29:37 | Weblog
新興国市場が上昇、米FRB緩和縮小見送り受け アナリストはキャリートレード活性化を予想 2013年09月20日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0HF37Z20130919
*トルコリラ、インドルピーは約2%上昇
*MSCI新興国株価指数は5月下旬以来の高値
*新興国株式、米FRB緩和縮小観測台頭以来の下落をほぼ回復
*アナリスト、キャリートレード活性化を予想
 米連邦準備理事会(FRB)が18日に予想外に量的緩和策の規模縮小を見送ったことを受け、19日の取引でトルコリラやインドルピーなどの新興国通貨が上昇、新興国の株価も上昇した。
 FRBは17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で月額850億ドルの資産買い入れの規模縮小を決定するとの観測が高まっていた。このため新興国からの資金流出が続いていたが、FRBの決定を受け潤沢な資金供給は当面は続くとの見方から、高リスク資産や高金利通貨などに資金が還流した。
 外為市場ではトルコリラが約2%、インドルピーが2%を超えて上昇。株価も上向き、MSCI新興国株価指数 は2%を超えて上昇し、5月下旬以来の高値を更新した。トルコの主要株価指数 は一時7%高、ロシアのRTS指数(ドル建て) は4%高となった。
 インドネシアの総合株価指数 は4%、インドのSENSEX指数(ムンバイ証券取引所に上場する30銘柄で構成) は3%、それぞれ上昇。南アフリカのTOP40株価指数 は2%高となり、過去最高値を更新した。
 新興国株式は、年初と比べるとまだマイナス圏にあるものの、下落率は3%に縮小。5月に米FRBの緩和縮小観測が台頭してからの下落分はほぼ回復した。
 新興国の債券市場も上向き、債務保証コストも低下した。マークイットによると、トルコの5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は30ベーシスポイント(bp)、南アフリカのCDSは29bp、それぞれ縮小した。
 HSBCの新興国外為ストラテジスト、ムラト・トプラク氏は、「将来的な金融政策の変更について、市場では見方を改める動きが広がっている」と指摘。新興国市場の上昇は「少なくとも数週間は続く」との見方を示した。
 また、インド財務省の首席経済補佐官はロイターに対し、米FRBの政策により、インドの経済成長率は短期的に0.5%ポイント押し上げられるとの予想を示した。
 ただ、トルコのシムシェキ財務相はロイターのインタビューで、米FRBの今回の決定による影響は一時的なものにとどまるとの見方を示した。
 影響は欧州の新興国にも広がり、欧州新興国株式指数 は約5%上昇し、6カ月ぶり高値を付けた。またポーランドズロチ は対ユーロで4カ月ぶり高値、ハンガリーフォリント は2カ月ぶり高値を付けた。
 ルネサンス・キャピタルのチャールズ・ロバートソン氏は「新興国の通貨と債券に絡んだキャリートレードが向こう数カ月は活性化する」としている。

南ア中銀が政策金利を5.0%に据え置き、労働争議の影響やインフレ注視  2013年09月20日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0HF3A920130919
 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は19日、政策金利を予想通り5.0%に据え置いた。労働争議の経済に対する悪影響や、賃金交渉に伴うインフレの可能性を注視しているとした。
 準備銀行のマーカス総裁は、国内経済見通しをめぐる状況に変化はないとしながらも、長引く労働争議が影を落としているとの見方を示した。
 準備銀行は、今年の経済成長率を前回会合と同じ2%と予想したが、25.6%に上る失業率の低下に十分な雇用を創出するには依然低い成長率だ。
 今年の平均インフレ率予想も5.9%で前回時点と変わらず。来年と2015年の予想はやや上方修正した。
 総裁は、インフレ率を上回る賃金改定で鉱山など一部部門が合意したことが、インフレ見通しの上振れに寄与するとの見方を示した。
 準備銀行はまた、石油や食品価格の上昇、通貨ランド安に伴い、インフレリスクがあると指摘した。
 米連邦準備理事会(FRB)が18日、量的緩和策の規模縮小を見送ったことでランド/ドル は上昇したものの、年初からは15%下落しており、準備銀行は輸入インフレを警戒する。
 ロイターが先週、エコノミスト25人に行った調査では、利上げに踏み切るのは来年第2・四半期以降との見方が大勢を占めている。




 アジア株のスレッドでインドネシア株式市場が4.65%高、インド株式市場が3.43%高となったことは述べましたが、米金融緩和縮小に動揺して自国通貨安で苦しんでいた新興国の通貨が買い戻され株価も堅調に推移。
 ブラジルボベスタ指数こそ1.09%安となったものの、トルコのイスタンブールインターナショナル100種が6.44%高、南アフリカのFTSE/JSEアフリカ全株指数が2.15%高となるなど、米国が金融緩和を据え置いた反応が凄いですね。
 日本人の達観した感覚からみれば、「そりゃ いつかは引き締めに回るでしょうに」と思うかもしれませんが、金融引き締めで真っ先に資金を引き上げられる側にとっては正に一喜一憂する出来事でしょうし、新興国株式や債券に投資する投資信託を保有の方などは目先の分配金や騰落率だけでなく、資金供給源となる投機筋とその投機筋を引き締めに回る各国政府との駆け引きについてもその動きに注視した方がいいのかもしれません。