日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

東洋大学「OU研」試作棟総括

2007-08-25 | 仕事・建物
2004年から今年の6月まで大学の研究会に参加をしていた。
東洋大学の浦江助教授と積水化学の産学共同研究
オープンユニット研究会「OU研」
NPO法人家づくりの会からは、倉島さんをチーフに
菊池さん・小林さん・新島さんとの5人がボランティア参加

セキスイハイムの住宅の建替の際に引き取り
使える鉄骨を点検再塗装後、市場に出す「再築システムの家」の
汎用性を目指す研究の一環として参加をした。



対になった2ブロックのうち右手が京都の設計事務所の担当
((有)フェイ・ローデザイン中村氏)で‘05年の12月に完成した。
「土壁」「竹の壁」「木目のサイディング壁」「木の面格子」で構成された。
私達や学生さん左官屋さんを巻き込んで手造りの「土壁パネル」を作成し
それはそれで楽しい経験が出来た。
出来上がった一次試作棟は京都の匂いが漂っている。



‘06年始めから家づくりの会グループの本格始動。
京都の1人に比べ5人の意見の一致が難しいと危惧したが
譲り合うところは譲り、チーフの奮闘に合わせて
各自が程よく手伝いプランは完成。
コンセプトは「離す・接する・貫通する」
外部仕上げのパターンを応用が利く納まりにする。

ところが、土壇場で予算が1次試作棟の半分以下に削られてしまった。
浦江助教授は「設計図書だけでもいい」と言って下さったが
全員一致で「半分以下の予算並の試作棟をつくる」と決めた。
1階部分が大きい2階建ての案を
2階だけの1階ピロティー型に設計変更。
外部への出口(窓)は一切無し
手分けをして設計図は完成した。

外壁面を少なくしても予算に合わせるのは至難の業。
あちらを削りこちらを無くし、チーフは眠れない思いをしただろう。
削った分の建材の無料提供が失敗の元
加工に手間取り費用は膨らんだ。

あちらをハラハラ、こちらに無理をさせ
今年の6月にどうにか出来上がった。
シンプルにしてシャープ
家づくりの会のメンバーは一応の満足はできた。





日頃住宅設計者の相手は「個人のお施主さん」「工務店の関係者」
意外と付合いは狭い。
このOU研では大学の関係者や学生さん
積水化学の再築担当者や色んな部署の人
同じ建築関連でも多彩な人たちと着き合えた。
大企業も一人ひとりが違って担う役割も大きい事が分かった。

私たちの足掛け3年にわたるボランティアは一段落したが
完成した試作棟の研究はまだまだ続くらしい。
(経過はこのページの右下の検索欄で「東洋大学」にてご覧下さい)
コメント
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