昨日読み終えた上下刊
桐野夏生著「ポリティコン」文春文庫刊

母親が行方知れずとなった女子高生マヤ
母親の元カレと東北の唯腕村に潜り込む
理想郷を目指して造られた村は
年月を経て堕落と高齢化と少子化が進み
設立当時とはかけ離れた人間環境となっていた。
美少女マヤは理事長の息子に執拗に追いかけられる。
理事長の息子東一(トイチ)は唯腕村を支配する野望を抱きつつ
理論的な思考と非理論的な行動で嫌われ者となってゆき
村を飛び出す。
マヤも受動的な理由で村を出る。
共同経営の唯腕村は一時耳目を集めた山岸会を彷彿とさせる。
理想郷が理想とならずに個人を殺して生きるか
個人をないがしろにして繁栄するか
理事長の死をきっかけに唯腕村に戻った東一
母親の元カレの死の病をきっかけに戻ったマヤ
最終章は「イワンの馬鹿」
第1章は「イワン王国」
物語の中は第1章と最終章の名前に象徴されている。
能動的にがむしゃらに生きる東一
受動的にその場の雰囲気に流されるマヤ
対照的な二人を据えて、楕円を描いている物語。
人は力強けれな良しとせず
弱そうな人が弱いとは限らない
そんな人間模様を広大なスケール感と
狭い村社会を描いた作品です。
桐野夏生ファンでなくとも是非ご一読ください。
桐野夏生著「ポリティコン」文春文庫刊

母親が行方知れずとなった女子高生マヤ
母親の元カレと東北の唯腕村に潜り込む
理想郷を目指して造られた村は
年月を経て堕落と高齢化と少子化が進み
設立当時とはかけ離れた人間環境となっていた。
美少女マヤは理事長の息子に執拗に追いかけられる。
理事長の息子東一(トイチ)は唯腕村を支配する野望を抱きつつ
理論的な思考と非理論的な行動で嫌われ者となってゆき
村を飛び出す。
マヤも受動的な理由で村を出る。
共同経営の唯腕村は一時耳目を集めた山岸会を彷彿とさせる。
理想郷が理想とならずに個人を殺して生きるか
個人をないがしろにして繁栄するか
理事長の死をきっかけに唯腕村に戻った東一
母親の元カレの死の病をきっかけに戻ったマヤ
最終章は「イワンの馬鹿」
第1章は「イワン王国」
物語の中は第1章と最終章の名前に象徴されている。
能動的にがむしゃらに生きる東一
受動的にその場の雰囲気に流されるマヤ
対照的な二人を据えて、楕円を描いている物語。
人は力強けれな良しとせず
弱そうな人が弱いとは限らない
そんな人間模様を広大なスケール感と
狭い村社会を描いた作品です。
桐野夏生ファンでなくとも是非ご一読ください。