日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

乃南アサ著「いちばん長い夜に」

2015-03-11 | 読書
今日はあの3.11の震災から4年目
報道では特集を組んだ誌面や画面が目に付くが
民放の夜の番組はバラエティーばかり
せめて今日は日中ばかりでなく
夜も取り組んで欲しいものだ。


4年前と違いよいお天気

さて今日の話題は読書
乃南アサ著「いちばん長い夜に」



刑期を終えてヒッソリと暮らす女性2人
明るく前向きに日々を送っている。

第1作の「いつか陽のあたる場所で」は読んだものの、
2作目の「すれ違う背中」は未読だが
完結編の3作目はパン屋修行の綾香も芭子もゆとりが出来て
周りの人助けや、少しの贅沢は出来るようになっている。

芭子が綾香の子どもの行方を探そうと仙台に向かう。
はっきりとした事は調べきれないまま、
記念にアクセサリーを買って帰ろうとした
その時
東日本の大震災に遭遇

想像を絶する揺れの記述は、冷静すぎるほど冷静
読み進んで来た熱気とは波長が違っている。

現実で乃南アサさんは完結編を書くために仙台へ取材旅行中だった。
想像の世界でなく現実世界の描写だった。

なんか冷静すぎないか??読み続けた。

顔の長い青年と偶然に出会い、東京へ一緒に帰る。
運のいい事にタクシーを3台乗り継ぎ、朝には自宅へ帰り着けた。
(物語と同様に現実もそうだったらしい)

同じく東北に仕事で出ていた人は
交通手段がなく、ホテルで足止めになり、
数日がかりで、新潟経由で帰宅したそうだ。

物語は熱く語れるが、現実の描写は押さえ気味になるのかも・・
あるいは、恐怖の湧き上がりを押さえるために冷静すぎたのか?

ともあれ主人公2人は、この日を境に別の人生を歩む事になる。

「あそこ」から支え合い、助け合って来た2人は
幸せに向かう事が出来るようだ。


同じくこの日を境に変わってしまった多くの人達
TVや新聞で見かける人には、自然な笑顔が増えているように見える。
まだまだどうにもならない人も多い事だろうが
今後もシッカリと見続けてゆきたいと思う。
コメント
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