日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

門井慶喜著「屋根をかける人」

2019-05-31 | 読書
戦前のアメリカ人建築家、W・M・ヴォーリズ
海外伝道者にして実業家にして建築家
明治38年に来日して、あまたの建物を設計監理し
元華族と結婚し、メンソレータムを日本に広めたヴォーリズの物語。

門井慶喜著「屋根をかける人」角川文庫刊



近江商人のふる里近江八幡に赴任し
英語教師として働きながら、キリスト教の布教を始め
若者の大勢を洗脳したにも拘らず、2年後に解任される。

それでもアメリカに帰る気は起こらず
住処を弟子達と自主施工をし快適な住まいを作ってしまう。
それだけの経験でYMCAの会舘を格安な費用で完成させ
ボツボツ入る仕事をこなし、ヴォーリズ建築事務所を設立

大量の始末に困っていたメンソレータムを効能を喧伝しつつ配り
新しいメンソレータムを売り込む
建築の才より商売人の才能で近畿地方から東京東北まで建物を建てる。

そんなヴォーリスの日本での顛末記
どんな建築をどんな才能で建てたと言うより物語より
歴史をザッと習った一冊

wiki/ウィリアム・メレル・ヴォーリズによると東京の建物は少ないけれど
山の上ホテル 1936年は多くの人に愛されている
今度行って見たいと思う。

多分日本を愛し、日本に愛され、時代に愛されたヴォーリスだと思う。

そう言えばメンソレータムはいつも身近にあったし、今でも引出しに1個ある。
「近江兄弟社」アメリカ人の兄弟の会社かと思っていたが

兄弟は兄と弟でなく、人類皆兄弟の兄弟だった。
が、今ではロート製薬が商標を買い取った。
(近江兄弟社からの申し出とか)
こちらも長い歴史と物語があったようだ。
コメント
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