日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

東野東吾著「危険なビーナス」

2019-11-13 | 読書
東野東吾著「危険なビーナス」講談社文庫刊



超売れっ子のミステリー作家東野圭吾作品は、あまり読んでいない
書店で読みたい本を捜し倦ね、つい買ってしまった一冊

だけど、余りにも官能的な表紙と
帯の「・・独身獣医・伯郎が新たに好きになった相手は
   失踪した弟の妻だった」に不倫ミステリーと思い
少しの間ほったらかしにしておいた。

患者(動物)の飼い主を見定め(品定め)しながら、診察をする独身獣医の伯郎
疎遠になっていた弟の妻から「夫が行方不明になった」と電話が入る。
初対面の弟の妻と会うと、カーリーヘアーで革ジャンを着て、
穴だらけのジーパン姿、

お金持ち一族と再婚をした亡き母
再婚後生まれた弟とも一族とも距離を置く伯郎だが
ともに弟を捜し、ついつい引込まれて、弟探しに翻弄する事になり
義妹を好きになってしまう伯郎

・・事件は解決し、弟は姿を現し
好きになってしまったカーリーヘアーの義妹は???

可成りハッピーエンドを思わせるラストだった。

なのに、このビーナスの表紙は何ぞや
カバーの裏にアレクサンドラ・カバネル「ヴィーナスの誕生」原画があった。



作品紹介には
 「一見すると官能的に見られがちな作品ですが、
 その実は美の対象として徹底的に甘美な芸術性を追求して描いているのがわかります。
 美というものに対する発想、
 神話の持つ寓意性から出た美しさへの追求の形が写実的なタッチと色彩に表現されているのです。」

だったとしても??
そもそも物語と危険なビーナスとは隔たりが大きい
読者が迷いつつ読み進めるだろうと言う
作者の陰謀だろうか?

面白くて、一気読みしかねない本だけに、変な謎が頭をもたげる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする