本屋さんで見てつい買ってしまった一冊
司馬遼太郎著「最後の将軍」文春文庫刊
時々見ているNHKの大河ドラマ
渋沢栄一が馬に乗っている徳川慶喜に直訴する場面や
隠居してしまった静岡に面会に行く場面
を見ていたので読む気になった。
出典はこの本と思えるほど丸々載っていた。
今はなき司馬遼太郎は、いろんな資料を元にして
想像を膨らませて物語を紡ぎ
当初の予定の二倍の量になり
それでも描き足りないくらい(思うに)の人物
聡明すぎて、先が見え過ぎて
育ちが良すぎて、世間の思惑がなぞれない。
なんでも出来て、
食事の盛り付けをするお付きに、ごはんのよそり方を教えたり
月代の剃り方の手解きをしたり、、
日々の細々とした事の観察力が並外れていたらしい、、
それなのに、人心の掌握が苦手だった。
人々を理解できなかった。
司馬遼太郎は「育ちの良さ」だと書く。
子供の時から反論してくる人に恵まれなかった、、
本当の心は明かせなかった、、らしい。
司馬遼太郎の洞察力と徳川慶喜の魅力に溢れる一冊です。