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今日のフィリピン魚は珍しいトラギス科魚類、ワニトラギスRyukyupercis gushikeni(Yoshino)をご紹介します。ワニトラギスは琉球列島からオーストラリアのやや深い海にすむ深海性のトラギスです。
昔、益田一・G.R.アレン両氏の本でこの魚を初めて見たのですが、その写真では白っぽかったので、こんなカラフルな魚とは想像しませんでした。
ワニトラギスは体長30cmになり、日本産トラギス科魚類としては最大級といえます。
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背鰭棘数6
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背鰭軟条が伸びる
また特異なのはその大きさだけでなく、背鰭棘数が6、軟条数23以上であること(他の日本産トラギス属魚類はそれぞれ4-5、18以下)もあげられます。また背鰭の軟条は長く伸びます。日本産のトラギス科魚類としては珍しい特徴です。
このほかにも異なる点があり、2007年にワニトラギスを模式種とした新属が提唱されています(※)。
ワニトラギスは日本産では最大といえますが、世界最大種は南米のブラジル沿岸にすむPseudopercis numida Miranda Ribeiroで、1mを超えます。トラギス属ではニュージーランドにすむミナミアオトラギスという種は45cmに達します。いずれも産地では食用となっていますが、日本では大型種が少ないためか、惣菜魚や練り製品の原料になる程度です。
(※)Imamura H., T. Yoshino, 2007. RYUKYUPERCIS, A NEW GENUS OF PINGUIPEDID FISH FOR THE SPECIES PARAPERCIS GISHIKENI (TELEOSTEI: PERCIFORMES) BASED ON THE PHYLOGENETIC RELATIONSHIPS OF THE FAMILY. The Raffles Bulletin of Zoology, Suppl., (14): 93-100. http://rmbr.nus.edu.sg/