魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ダンダラスズメダイ

2022年07月16日 16時12分23秒 | 魚紹介

今回は沖縄県石垣島で釣れた魚をご紹介。スズキ目・スズメダイ科・ダンダラスズメダイ属のダンダラスズメダイ。ダンダラスズメダイは琉球列島の浅いサンゴ礁域に生息するが、那覇などでは少なく、八重山諸島に多い。海外ではインドー西太平洋に生息している。

ダンダラスズメダイは頭部から体側前半にかけてと体側後方に褐色域があり、その間が白くなっていることが特徴である。幼魚は茶色い体に白い横帯となっておりかわいらしい。幼魚背鰭には眼状斑があるが成魚では消失する。腹部は一様に淡色で、黒色斑がないことで日本産のもう一種のダンダラスズメダイ属であるセグロスズメダイと見分けられる。セグロスズメダイはもっと南方性で沖縄本島では見られず、宮古島や八重山諸島などでわずかにみられるのみという稀種である(西太平洋には多い)。なお、ダンダラスズメダイ属は世界で7種が知られているが、いずれもアンダマン海から西太平洋までの分布であり、分布域が狭いグループといえる。

なお、ダンダラスズメダイは一見美しい色彩をしているが、飼育はNGである。というのも、この種はたいへん気性が荒いため、ほかの魚をすぐつつき殺して確実にもてあますからだ。また全長10cmを超えるサイズになるため、小型水槽での飼育はできない。食性は主に付着藻類などを食する、とされているが雑食性で、甲殻類なども食べる。このダンダラスズメダイもオキアミを餌に釣れたものである。

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サンゴ水槽リセット

2022年07月15日 22時35分44秒 | 魚介類飼育(海水)

サンゴ水槽に妙なコケが生えてしまい、コモンサンゴは色が抜けるようにして死に、硝酸塩数値も下がらず...。ここで大きくリセットすることにした。魚やサンゴは60cm水槽などに退避。幸いにも魚はみな元気そう。サンゴのほうも元気なのが多いので少しほっとしている。とりあえずリセットの際には水を張ったあと2週間ほどはから回しする予定。

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Youtube動画に大変ひどいものが混ざっている件

2022年07月14日 21時06分42秒 | 魚類とインターネット

Youtube動画も好きで色々見ているのですが、あまりにもひどいチャンネルを見つけてしまった。

「世界の奇跡」というチャンネルでは「世界の危険な甲殻類トップ8」では、スベスベマンジュウガニが紹介されているが、その動画では一切スベスベマンジュウガニの画像や動画が使用されず、オールのような脚をもつワタリガニ科のカニの写真や動画を使用している。タカアシガニについても誇張された内容があったり、全くその生物について知らないで動画を作成しているなど、それは低品質図鑑サイトをそのまま動画にしたような内容となっている。

「ブライトサイド」というチャンネルの「できれば避けたい海の生き物14選」もひどい。最初にオニダルマオコゼを紹介するのだが、オニダルマオコゼの写真はほとんどなく、フサカサゴ属の種や、オニカサゴ属の魚などの写真が使用されているが、なんといってもカサゴ類と縁遠いカジカ亜目のケムシカジカの背鰭棘さえ「オニダルマオコゼの毒棘」として紹介している。さらに「ゾウギンザメは硬骨魚類」と紹介したり、このような動画チャンネルにありがちな「過激な表現」も使用されているなど、無茶苦茶な動画である。ほか、ブライトサイドはハリセンボンを猛毒魚として紹介していたり、浅海のハゼ科の一種と思われる魚の写真を深海棲クサウオの仲間と紹介しており、学術的に見てはいけないのだろう。もっとも深海のクサウオとして紹介している魚(おそらくハゼ亜目の何か)は、WikipediaではLiparis floraeとして紹介されているため、このサイトもWikipediaの被害者かもしれない。もっとも、Wikipediaを参考文献としている時点で、終わっているのだが。

これらの動画チャンネルの共通点として、英語チャンネルの動画をそのまま日本語訳して公開されているものが多いが、英語のインターネットではこのような生き物を紹介するのは動画だろうがメディアだろうが概ね低品質、生き物の同定内容もめちゃくちゃなものばかり。日本語サイトもあるが翻訳もめちゃくちゃなものでただ機械翻訳されたものだけであり、信用してはいけないだろう。もっとも欧米などでは日本ほど磯採集が盛んではない、もしくはそのような行為が規制されていることもあり、日本ほど生き物に興味を持ちにくいというところがあるのかもしれない。

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アオノメハタ

2022年07月13日 22時38分01秒 | 魚紹介

以前購入した魚のご紹介。スズキ目・ハタ科・ユカタハタ属のアオノメハタ。ユカタハタ属のハタはいずれも暖かい海に見られ、多くは浅いサンゴ礁域に生息している。このアオノメハタもそんな種類で、サンゴ礁域の浅瀬に見られる普通種である。

特徴のひとつは背鰭棘条部である。本種はユカタハタ属のハタで、背鰭棘数はほかのユカタハタ属と同様9棘。しかし鰭膜先端部のオレンジ色が美しく、よく目立っている。さらに各鰭および体側に小さな青白い小斑が多数散らばっているのも特徴。体側には不明瞭な灰色の横帯があり、この個体にもうっすらみられるが、この横帯がないものもいる。鰓蓋付近には目立つ褐色斑がないことで近年日本から記録されたサミダレハタとも見分けられるようだ。

アオノメハタは主に浅い海に生息しているが、幼魚のうちは潮だまりでもその姿をみることができる。鹿児島県の喜界島はハタ科の天国であるが、干潮時潮が完全に引くような潮だまりでも本種の幼魚が何個体か見られた。2010年には水深1mほどの潮だまりで見られたが、餌に興味を示してチェイスはしてきたが、針にはかからなかった。今年2022年に行ったときもスズメダイの群れに混ざっていたが、弱ったスズメダイやスズメダイの幼魚などはアオノメハタの餌になってしまうかもしれない。小魚のほか甲殻類なども捕食しているが、アオノメハタもまたヒトに食べられるのである。しかしアオノメハタは大型の個体ではまれにシガテラ毒をもつとされているので注意が必要である。琉球列島ではごく普通に水揚げされるが、とくに八重山諸島では多いとされる。40cmほどになるが、水揚げされるのはもっと小ぶりのものが多いように思われる。

石垣島産のアオノメハタ

分布域は日本国内では和歌山県串本以南の太平洋岸、琉球列島、南大東島、尖閣諸島、小笠原諸島。海外では南アフリカ~ピトケアンまでのインドー太平洋および紅海に広く見られる。ハワイ諸島には分布していなかったが1950年代に移植されたものが定着している。

なお今回のトップ画像の個体は丸万 田中水産の田中積社長より。田中さんいつもありがとうございます!

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イワカワウネボラ

2022年07月12日 15時54分10秒 | 軟体動物(貝類・頭足類)

昨日に続いて貝殻。オキニシ科のイワカワウネボラ(たぶん)。貝類の同定については歯切れがわるい椎名さんである。もしかしたらコナルトボラとか、ほかの貝かもしれない。しかしオキニシ科であることは間違いないだろう。しかしこの科の貝はロマネスコに似ていると思う。ちなみにこの貝にはフタがあるはずなのだが、この個体にはない。というか、おそらくどこかへ行ってしまったのだと思われる。

殻口のまわりは非常に複雑な構造がある。口の上・下方に溝があったり、周縁部に襞があったり。溝はほかにもマツカワガイやフジツガイなどにも見られ、これらの貝とは分類的にも近いようだ。

オキニシ科の貝はいずれもヤドカリにとって良いすみかになっているようで、この間の喜界島遠征でもタイドプールでオキニシ科の貝に入っていたイソヨコバサミを見ている。この優良物件はいずれにせよ暖かい海を好むようだ。なおこの個体は高知県の潮下帯にいた生貝を入手したものである。

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