TBS日曜劇場、このクールは1話ごとに違う脚本家が書き下ろす、「おやじの背中」。
8月3日は第4話「母の秘密」。溝があって会わずにいた父・渡瀬恒彦と息子・中村勘九郎が、父の誘いで秩父札所参りに出かける。歩きながら、亡き妻/母への思いを次第にぶつけあい、、、
激してまくしたてる口調が、実際の父・勘三郎をふっと思い出させる勘九郎。ていうか、私の世代には勘三郎は勘九郎のイメージが強くて^^;
台詞が劇中の父に対する言葉であるのと同時に、どこか亡くなった実の父に対する言葉にも聞こえてしまう。
渡瀬恒彦演じる父は、学生運動に身を投じ、のちに社会派出版社を経営したが破綻して家を手放した、という設定。「生き辛い社会なら、変えていこうとするのが若さだろう!」「家族のためによりよい社会を作ろうとしたんだ」という世代。
父の理想の犠牲になっていたと息子には見えた母が、夫と共に生きたいと願っていたことが、亡くなる前に残した言葉から伝わる。旅の終わりに息子からしたハグ、父が電車に乗る前に息子にしたお辞儀、互いに不器用な父と子。
親ばかり引き合いに出されるのは不本意かもしれないけど、勘九郎、あえて父の面影を持ちながら、じんわりいい役者になっていくのかな、と思う。
脚本は鎌田敏夫。というと「男女7人夏物語」が思い浮かぶけど、「俺たちの旅」や「金曜日の妻たちへ」もそうだったか
このあと、山田太一、池端俊策、井上由美子、三谷幸喜などの脚本家たちが控えている。見逃した回には倉本聰もあったんだけど、面白かったかな?
視聴率はあまり伸びてないらしいけど、ちょっと気になるシリーズ