日米安保を即刻破棄しろとはいわないが、米国の言いなりではなく、真のパートナーを目指すべきだ。石原慎太郎が核にこだわるのも、国家の主権を回復したいからだろう。フランスのドゴールが核兵器を手にしたのは、超大国の核独占が許せなかったからだろう。松島基地での航空ショーを見学したときに、航空自衛隊の隊員から聞いた言葉が忘れられない。「いくらこちらが腕がよくても、兵器は向こうが上ですからね。空中戦をやれば負けですよ」と悔しがっていた。大東亜戦争に敗北したことで、日本は米国に骨抜きにされたのである。原発にしても、長い期間にわたって日本は開発することを禁止され、米国の中古品を買わされた。その結果があのざまなのである。70年安保前後には、60年安保のときと違って、ようやく保守民族派がナショナリズムの担い手となった。早稲田を中心にした日本学生同盟は、安保条約の克服をスローガンに掲げた。よりラディカルな日本学生会議は、沖縄返還闘争に日の丸を掲げて闘った。新右翼の一水会などは、現在でも米軍基地の撤去を求めている。右であろうと、左であろうとも、戦後の封印されたナショナリズムを解き放そうとした者たちを、正当に評価するのが私の立場なのである。それで誤解されようとも、私は抗弁するつもりはない。銃殺刑になった北一輝や青年将校も、権力者にとっては「アカの手先」であったわけだから。
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