野党自民党に頑張ってもらわなくてはならないのに、谷垣禎一総裁がもう一つパッとしない。真面目なのは分かるが、政治は権力闘争であり、そこで勝たなければ意味がないのである。9日の衆議院予算委員会で、自民党のトップバッターとして質問するというが、目が笑っていたのでは駄目だ。解散・総選挙に追い込む気迫がなければ、自民党自体が見放されるだろう。かつての自民党は人材に恵まれていた。世襲政治家も少なかったし、百戦錬磨の腹が据わった人たちもいた。二世議員の谷垣からは覇気が感じられない。だからこそ、野田佳彦首相と同じで、財務官僚の言いなりになってしまうのではないか。さらに、以前の自民党には、官僚政治家と党人派という色分けがあった。それは派閥以前の問題で、戦後日本の方向性を定めた吉田茂が官僚出身者を抜擢したために、それが現在の自民党にまで及んでしまった。それに対して、党人派の筆頭であった鳩山一郎のもとには、松野鶴平、三木武吉、河野一郎、大野伴睦らが集まった。3年前の政権交代で野党になった自民党は、党人派が主導権を握るべきであった。それが庶民政党に脱皮する近道であるからだ。谷垣が財務官僚の口真似しかできないのであれば、総裁の座を譲るべきだろう。人の良さをかなぐり捨てて、野党党首として、谷垣が闘志をむき出しにし、拳を振り上げなければ、政権の奪還などは夢のまた夢なのである。
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