草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

お花畑の無防備な国民は消え失せるだけだ!

2015年01月02日 | 思想家

戦後の言論空間を支配してきたのは、日本が戦争をしなければ世界は平和だ、との間違ったお花畑であった。今もなおそれを主張している政党やマスコミが存在するのだから、理解に苦しむ。カール・シュミットは『政治的なものの概念』(田中浩、原田武雄訳)において、それが国民に大きな禍をもたらすことを指摘した。シュミットは日本では左右を問わず読まれている思想家である。丸山真男がもっとも参考にしたともいわれる。シュミットは「無防備な国民には友しか存在しない、と考えるのは、馬鹿げたことであろうし、無抵抗ということによって敵が心を動かされるかもしれないと考えるのは、ずさんきわまる胸算用であろう」と断言する。そして、国が滅びにいたるのを予言したのである。「一国民が、政治的なものの領域に踏みとどまる力ないしは意志を失うことによって、政治的なものが、この世から消え失せるわけではない。ただ、いくじのない一国民が消え失せるだけにすぎないのである」。それを知ってか知らずか、軍事力を軽視する議論が日本で未だに横行しているのは、アメリカによる日本弱体化が徹底して行われたからだ。集団的自衛権の行使容認や、特定秘密保護法への反対も、もとをただせば、全て憲法に帰着するのである。日本が国家として身構えなければ、ウイグルやチベットと同じようになるのに、それに気づかないのは愚かにもほどがある。

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