草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

危機を乗り切るため日本の「社会主義化」を主張する中野豪志!

2020年04月30日 | 経済

この先の世界がどうなるかまったく見当が付かない。それだけに、中野豪志がロイターのインタビューに答えて「コロナ後の日本の生き残りの鍵は社会主義化」と言い切ったのは衝撃的であった▼武漢発の新型コロナウイルスのバッデミックは、多く死者をもたらしたにとどまらず、世界恐慌の様相を呈してきた。日本が危機を乗り切る処方箋として、中野は「国内総生産のGDPの5割を超える財政出動」と「重要産業に資本投下を注入する措置が求められる」との見方を示したのである。さらに、感染拡大期が遅れたことは日本にとって禍であり、先に経済活動を再開した中韓に市場を奪われるというのだ▼社会主義的な方向に舵を切るというのは、例外的な状況下では選択肢の一つである。それを頭から否定するつもりはないが、人為的な介入がどこまで有効かは疑問である。社会主義化によって自由が奪われないかという危惧もある。1929年にウォール街に発した世界恐慌の解決策のために、世界の多くが全体主義国家となった。それと同じ選択肢しか残されていないのだろうか▼あらゆる形態の社会主義は「人間の隷属化の道」として批判したのがハイエクであった。その立場からの中野への反論に注目したいと思う。どちらが正しかを私たち国民が判断するためにも、経済思想をめぐる議論を避けてはならないのである。

コメント (1)
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