草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

安倍首相は「間接的権力者」を無視し国民のため決断すべきだ!

2020年04月16日 | 感染症

このままでは安倍首相は国民の支持を失ってしまう。あまりにももたもたしているからだ。国民一人当たり現金10万円を国民に支給することをめぐっても、自民党や公明党の要望として実現することになりそうだが、時間がかかり過ぎである▼カール・シュミットに『権利者並びに権力者の道についての対話』(服部平治・宮本盛太郎訳)という著作がある。1954年に「ヘッセン放送」や「北西ドイツ放送」のラジオで流されたもので、後期のシュミットは、それまでの主権理論に修正を加えたのだった▼その本の解説文で大竹弘二は「ここで問題にされているのはむしろ、全能の主権者を否応なく見舞う悲劇なのである」と指摘するとともに、「いかに絶対的な君主よいえども、現実にはその能力に限界がある一個の人間にすぎない。こうした齟齬ゆえに、彼に接近する通路(前室、控えの間、通廊)が重要となるのであり、そこに間接的な権力者たち(大臣、侍従、聴罪司祭、侍医、情婦)が活動する余地も生まれることになる」と書いている▼いかなる政治指導者であっても、側近などの意見を参考にするしかないのである。決断主義を掲げるシュミットにしても、主権権力の限界に触れていたのだ。今こそ安倍首相は国民のためを考えて、自らが決断をすべきである。例外的な状況下であるからこそ、それができるかどうかがなおさら試されているのである。

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