かつて民主党参議院議員でもあった、佐藤雄平福島県知事は、ここにきて梯子が外され、ピエロであることが誰の目にも明らかになった。風評被害とか言って力んでいたが、福島県土のほとんどがセシウムに汚染されているわけだから、そんなことで、農産物が売れるほど甘くはないのである。そこで嗤ってしまったのが、福島民報の今日の朝刊である。風評払拭で佐藤知事が県外にPRに出かけるという記事が、社会面の三段見出しで載っていたが、あくまでも申し訳程度であった。そんなことはもう話題にならなくなりつつあるのだ。福島県経済研究所が行った県内企業206社への調査によると、本社や工場、営業所を県内から移転するかどうかの質問に対して、「県内から移転せず」と明言したのは、たかだか55・8パーセントであった。従業員らへの健康を考えた場合に、県外移転を検討する企業が出てくるのも、当然の成り行きだ。福島第一原発からの放射性物質の放出は、一時よりは少ないとはいえ、これまでに拡散されたセシウムなどによる汚染は、かえって拡大の一途を辿っているのではないか。佐藤知事がいくら陣頭指揮に立とうとも、セシウムによって汚染された地図が公表されるに及んで、もはやPRでどうにかなるレベルではない。それだけに、東京電力や国とどう向き合うか、そのことが今一番問われてきているのではないだろうか。
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