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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(269) 甲越 川中島血戦 96

2024年12月08日 10時15分25秒 | 甲越軍記
 川中島の河原のいたるところで甲越の軍勢激しいい戦いを繰り広げている中
越後の大将、上杉謙信の旗本勢は信玄の旗本めがけてまっしぐらに押し出した
信玄の旗本も負けじと鉄砲を放ってこれを真っ向から受け止める
鉄砲の轟音のあと槍衾を作って鬨をあげて迫りくる越後勢に突いて懸かる

信玄、謙信の旗本同士の戦いであるから激しさは烈火の盛んなる如く、火花を散らし切れども突けども互いに一歩も引かず、ここを限りと命を捨てて打ちあう勇士の激しき事

この乱戦の中にあって、謙信は勇み立って敵陣深くまで攻め入る味方の背後を襲われることを案じて、すぐに使い番を呼んで後備えの直江山城守、甘粕近江守の陣に走らせた
「後備えの両将は軽々しく動くことならず、こらえにこらえて味方まことに危うきとなった時にこそ打ち出すべし、それまでは先陣の戦の成り行きを見定めて警固の怠り無きようにすべし」と五度までも使い番を送った。

信玄を討ち取るは此度の一戦以外になし、今日こそ信玄の生首を打ち落とさんと勇んで、自ら馬を駆け巡らせ前戦に進み行き
「これしきの小勢の敵に手間取るとは臆したか、頼みがい無き者どもめ、討死を心掛けて勇み出でよ」と大音声にて叱咤すれば
高梨播磨守、同原二郎、新発田尾張守、宇野佐馬助、岩井弥次郎、鬼小島弥太郎、城織部、長尾七郎、小田切治部少輔、上杉弥五郎、小室平九郎、和田喜兵衛、長尾新九郎をはじめ謙信の旗本諸大将、手練れの勇士ら勇に勇んで得物を手に手に勇み立って武田の旗本に攻め入る

武田の旗本もまた、「いまこそ君恩に報いる時なり、ここを破られればお味方の敗北必至なり、命惜しむな死んで御屋形に報いよ」と一歩もその場を下がらず屍を乗り越えて上杉勢に挑みかかる。
中にも金丸平六郎、横田駿河守、諸我入道、奥美作守、土屋平八郎、栗原藤三郎、窪田助の丞、小山田弥五郎、諏訪越中守、諸角助七郎、山田弥助、吉田左近らをはじめ、強雄無双の勇士ら勇を振るい喚き叫んで討って懸かる
このすさまじき火焔を吐いて襲い来る武田の旗本に、さしもの謙信旗本もこの切っ先に攻め立てられて、しばしひきさがれば、武田勢ますます勢いを増して、越後勢は乱れたつ

本庄源五郎、五百川縫殿助、宇野左馬助踏みとどまり、槍をとって攻め来る敵を七騎突いて落し、穂先も尽き折れれば太刀を抜いて切って回る
鬼小島弥太郎は味方の乱れるを見て討ち死にを志し、武田勢武者二十余人を切り倒しさらに打倒した雑兵は数知れず
その身も手傷を数か所負えども引き下がる様子さらさらなく、なおも信玄を求めて敵中深く入り込めば、武田の旗本、原与左衛門が二十余人に取り囲まれてすでに危うく見えたところに荒川伊豆守、馳せ来て敵を追い立てて、弥太郎を救い出して引き返す

武田勢の勢い、いよいよ激しく越後勢は乱れに乱れて切り崩され、半町ほども引き下がり敗北する
武田勢は勝ちに乗じて大波の如く攻めかかれば、上杉の死者数知れず
ここに越後の参謀、宇佐美駿河守が一千余騎を率いて大塚村に備えしが、旗本勢の崩れるを見て士卒を下知して勝ち誇る武田勢の横合いより騎馬を突き入れる。




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