昨年9月初めのことです。思いがけぬ痛みに襲われました。『思いがけぬ』というのは、まず自分が痛みに襲われることへの戸惑い、そしてどこが痛いのかはっきりと自分でわからないこと、今まで痛みに強いと思ってきた自分にとってその痛みが今後自制内に納められるか、と言うより、抑えられなくなるかもしれないと先行きに不安を感じたこと・・・・・足を一歩踏み出すという当たり前の普通の動きで、これまで感じたこともない踏み込みの衝撃(?)で、たったそれだけのことで痛みを感じたんです!!!!!
最初のうちは笑ったり咳き込んだり、などといったようなことで何となく痛かったので、どういうわけか筋肉痛???と思いました。そもそもそんなことになったのは、60歳を過ぎての『親知らず』・・・・・歯が生えてきたり大臼歯に近づいて来たり・・・・・歯肉の状況がアンバランスになって軽い歯肉炎状態(?)・・・・・それで電動歯ブラシを試してみることにしました。(これについては和みさん製の『ハーモナイザー』のおかげでうまくいったことを記事にしました。)でもそれが、その良くなったことが(後で思い返してみると、ですが。・・・・・歯の根にたまった化膿性のものが押し出されて副鼻腔から気管支に落ちたんだと思います。)、咳の原因だったんです。咳き込むと同時に痰も出ました。「何でだろう???」とは思いましたが、ひどく咳き込むために痛いんだろうと納得もしたんです。でもそのうち「これは~?」と内心不安を覚えるようになり、「こりゃあ、痛み止めをのまないと普通に家事が出来ない・・・・・」と、自分に何が起こっているのか知る必要があるので、土・日を経過観察(たまたま?)して月曜日に内科を受診することにしました。
土・日を通じて残念ながら痛みは軽減することなく、みぞおちから左側一番下の肋骨に沿っての痛みを訴えて内科を受診しました。診察台に横になるのもなかなかの状況でしたが、CTやらなにやら・・・・・いろいろな検査を受けて診察の結果、『膵炎のようなのでこのまま県立病院を受診してください』と言われました。『今からすぐにですか?』と戸惑う私が足を踏み出せないでいると、『痛みますか?そうでしょうね』と気の毒そうに痛み止めの頓服を処方されて県立病院に向かいました。
県立病院の内科でとりあえずの緊急の診察の結果は何と『急性膵炎で即入院!!!』・・・・・え、このまま!?!?!?・・・・・このころ午前中の診察を終えた主人が県立病院にきてくれました。入院手続きを済ませた後、何の準備もなかったので2時間ばかり自宅に戻る許可をもらいました。慌ただしく簡単な入院準備を調えて病室に戻りました。何よりも幸いなことは、県立病院が自宅からも主人の勤務先からも近かったことです。それでとりあえず、今晩必要なものだけ・・・・・私も主人も、思いもよらぬことばかりでした。
思いもよらぬこととは言いながら、『万が一かかることもありなん』と内心思うところがあった私は、日曜日にヘアーカットに行きました。美容室は歩いて3分もかからないところにあるのですが、主人が車で連れて行ってやろうかと提案してくれたので、私は主人に車で送ってもらい迎えに来てもらいました。どうやらあの提案は主人の問診だったようで、『まさか???そんなに痛いのか???』と思ったそうです。
急性膵炎の治療は、絶食なんだそうです。血液検査と点滴だけの入院生活が始まりました。5日目に何とか『重湯』を食べられるようになりました。三分がゆ、五分がゆと順調に食べられるようになり、血液検査結果も落ち着いてきて、一週間目に内視鏡等の検査が始まることになりました。急性膵炎が落ち着かないと検査はできなかったんです。本当のところ内科の先生は当初から膵臓癌を疑っていたらしいのです。それで急いで急性膵炎の治療をする必要があったらしいのです。
絶食!!!・・・・・これはまあ、マクロビオティックの徒にとっては幸運でした。色々悩まずに済みます。でも最近は入院する時に調査があって、患者の嗜好や考え方に配慮してくれるらしい・・・・・それでいろいろ自分の希望を書きました。でもとりあえずは『絶!・食!』・・・・・これはいいのですが、何にもすることがありません。入院生活にとって、食事は大切な区切りだし、入院患者の仕事だと思いました。本を読むことにはしましたが、何となく身がいらない・・・・・それでどうでもいいような本を読むことに・・・・・
重湯になりました!!!!!このときの嬉しさとおいしさは忘れません。食べるということの幸せを感じました。絶食しているときも、断食ではありませんから、点滴などで空腹感はあまりないんです。だけど『口で食べ、お腹を落ち着かせる』というもっとも本能的な行為の意味を感じました。だけど、です。だけど、二度目の重湯は美味しくありませんでした。「あ~~、玄米の重湯だったらなあ~~~~!!!!!」「せめて器でもなんとかならないかなあ~~~???」そうこうしているうちに、お粥になり、普通の膵臓食になり・・・・・ましたが、やや悲しい食事でした。まあ膵臓食は、低脂肪・低たんぱくで、油の質やお肉にあまり悩まされないのだけでも、良しとすべきでしょう・・・・・と、思い返し思い返しいただきました。
長くなりますから、この続きは体験記(2)とします。でもこの状況は、私の『マンダラゲ』・・・・・わけがあってのことだろうと思います。それで新しいカテゴリー・manndarageを作り今回の体験談用にしました。(日本語の発音を思って、nを重ねました。)