半年ぶりにパーマをかけてきました。先日の体験記(1)に書いた歩いて3分もかからないところの美容院ですが、そこには『和楽』という確か小学館の季刊誌が置いてあり楽しみにしています。今回のテーマの一つが『茶の湯』で、利休が生み出した『楽茶碗』が紹介されていました。
その中に『俊寛』と利休自身が名づけた黒楽のお茶碗がありました。その説明は次の通りです。利休が鹿児島在住の門人から長次郎の黒楽茶碗を乞われたのだそうです。それで3個送ったら2個が送り返されて、門人が手元に残した一つに銘を頼まれたのだそうです。それで利休はその黒楽茶碗に『俊寛』との銘をつけたのだとか・・・・・・
これを読んでしみじみその黒楽茶碗を見ていたら、俊寛僧都の悲痛とそれを思いやる利休の心に触れました。皆様ご存知のとおり俊寛僧都が鹿児島県の絶海の孤島鬼界が島に流されたのは三人連れでした・・・・・そして連れの二人は恩赦で許され都に帰りました。一人残された俊寛の心・・・・・これをその黒楽茶碗に移したのだろうと思います。12世紀の俊寛と16世紀末の利休・・・・・そして21世紀の私達・・・・・『銘』という行為にそこはかとない歴史を共有する心を思いました。