浄土真宗本願寺派の総本山である西本願寺(通称:お西さん)は、境内が世界文化遺産に登録され、お堂である「御影堂(ごえいどう)」、「阿弥陀堂(あみだどう)」とともに「書院」や「飛雲閣」も国宝に指定されている歴史的建造物である。
御影堂の内陣の須弥壇中央に木像の親鸞聖人、両脇には本願寺歴代宗主の影像を安置され、両余間には十字名号(帰命尽十方無碍光如来)、九字名号(南無不可思議光如来)と書かれた絹の御軸が掛けられてある。
一方、阿弥陀堂には中央に阿弥陀如来の木像、両脇にインド・中国・日本の七高僧の内、龍樹菩薩・天親菩薩・曇鸞大師・道綽禅師・善導大師・源信和尚の六師、そして両余間に法然聖人と聖徳太子の影像の軸装が掛けてある。
両堂ともに多くの門徒を収容するために畳が敷かれている。御影堂の外陣は441畳もの広さを有し、太い柱が林立し上部に虹梁(こうりょう/梁の一種で弓形になっているから虹)を架け渡し,広大な内部空間を実現している。内陣の周りは金箔,彫刻欄間,障壁画,彩色等で荘厳に飾られている。
阿弥陀堂は285枚の畳が敷かれ、御影堂と同じように千人近い門徒が一堂に参拝できる広さである。
両堂には渡り廊下があり、行き来できるようになっている。参拝するときは畳に座して手を合わせ、そして畳の後方に椅子が用意されているので、座りしばし須弥壇を眺めて過ごす。広大なお堂の中は静寂に包まれ心のリラクゼーションには良いように思う。宗派を超えて楽しむものには絶好なステージである。
以上2点が御影堂
両余間の「十字名号」
上記3点が「阿弥陀堂」
親鸞聖人の影像軸装
聖徳太子の影像軸装
文・写真/ 渡邉雄二
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