嵐山 渡月橋からまっすぐ北に行くと、清凉寺の仁王門に突き当たる。
通称嵯峨釈迦堂といわれている浄土宗寺院である。初めて参拝させていただく機会を得た。
今回の仏画曼荼羅アート神戸教室の皆さんと行く嵯峨野散策コースには入っていなかったのだが、
昼食に立ち寄ったお店を出た正面に仁王門がそびえ建っていた。
本来は、天龍寺から常寂光寺、二尊院を参拝するコースだったのだが、仁王門の迫力に惹かれ立ち寄った。
それが清凉寺である。
なんの寺院情報もなく立ち寄った清凉寺だが、調べてみると本尊が釈迦如来像(国宝)で、
その如来立像が釈尊の37歳のときの生身の姿を伝えた霊像として、
古来より厚く信仰をあつめた像ということであった。
その三門にあたる現在の仁王門は1800年直前に完成し、建造様式は和様と中国禅宗様の折衷したもの。
その初層の左右には室町時代に建造されたと言われている金剛力士像の阿形像と吽形像が安置されている。
寺院の全体を守護神である二体は、ご覧のとおり朱の力士像。
ご存じ、像容は上半身裸形で、筋骨隆々とし、阿形像は怒りの表情を顕わにし、
吽形像は怒りを内に秘めた表情に表すもの。
こうした造形は、寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神としての性格を表している。
金剛力士像は忿怒の表情をした天部の像であるが、
ここ清凉寺の力士像は他の寺院の力士像よりか心持ち穏やかな表情に見える。
建造する仏師が違うわけだから違って当たり前かも。
角度や陽光、さらには見る側のそのときの心境によって違って見えても不思議ではない。
国宝釈迦如来立像や経蔵については、後日紹介させていただく。
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