延暦寺の秋は美しい。厳かな空気を感じる風景に出会えるのは数々あるが、ここ比叡山延暦寺の空気はまた違うような気がした。山の奥深く人の気配を感じさせないこの地で、千年のときを経ても変わらない神仏への尊崇の営みがある。
訪れた日は、雨露に濡れた葉が雨後の陽射しに輝いていた。
横川地区の核となる御堂である横川中堂は、舞台造りと鮮やかな朱塗りの建物が紅葉に映えていた。848年に根本観音堂として創建、本尊には聖観音菩薩像が安置されている。
神道と仏教が融合し一つの信仰体系として再構成された神仏習合。各寺院でもよく見かける鳥居や社。明治になるまで神仏習合は長く続いた。延暦寺の山麓で静かにたたずむ社があった。登る道中、随所で見られる琵琶湖。山間から臨む琵琶湖は、雨後の靄にかすんでいた。
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