古代から続く木の実や果物を使った馴染みのある「果子」、遣唐使によりもたらされたと言われる「唐菓子」、禅とともに伝来した「点心」、布教や貿易を目的に渡来したポルトガル人・スペイン人によりもたらされた「南蛮菓子」、そして江戸時代に砂糖や寒天といった原材料が登場したのを機に広がった「京菓子」。(俵屋吉富HP参照)
現在に至るまでの和菓子のあゆみの中で、最高の技術を総結集して制作される芸術味豊かな創作菓子の「糖芸菓子」。松や桜など四季の姿や花鳥風月など本物さながらに作る装飾菓子であるが、すべて食べることのできる材料で作られている。
京の老舗京菓子店「俵屋吉富」の資料館に展示されている糖芸菓子の中でも一際目を引いたのが「華燭(かしょく)」(写真①)と名付けられた作品。その高さは幅ともに1メートル以上。20年ほど前、結婚披露宴でお披露目するために、職人二人の手で半年かけて作られた装飾菓子の逸品である。
約12.000本ある松の葉もすべて砂糖でできている。糖芸菓子は非常に繊細で触ると壊れてしまうため、持ち運ぶ際にはパーツごとにばらし現地で組み立てる。
糖芸菓子でもう一つ目にとまったのが、お軸に表現されている「3D花鳥風月」。今までに見たことのない立体絵画的作品である。これもすべて砂糖である。
これらの作品すべては伝統装飾工芸の代表格である。京菓子ならではの工夫が施され華やかさ、煌びやかさが表現された和菓子の最高傑作である。京菓子職人の技をたっぷり見せてもらった。
糖芸菓子「華燭」
糖芸菓子「3D絵画的菓子」
糖芸菓子「藤」
俵屋吉富「京菓子資料館」
文・写真/ 渡邉雄二
場所/ 俵屋吉富京菓子資料館
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