ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

心も体も整えられる。 【雲龍院 写経】

2020-11-05 14:00:07 | 文化想造塾「曼荼羅」

好きな写経場「雲龍院」。京都 東山奥座敷にある御寺泉涌寺の別院である。いつもは本堂が写経場ではあるが、その日はひんやりした空気を感じる霊明殿だった。

雲龍院では写経をする前に、香辛料や生薬にも使われる、乾燥させた丁字(ちょうじ)のつぼみを口に含み、そして、けがれを除くとされている塗香を手に塗る。さらに少量の酒水(清水)を頭にふってから始める。
写経する時に使用する机は、後水尾天皇によって寄進された机をいま現在も使用されているというから精神的高揚がみなぎってくる。
香を含み、手を清め、そして朱墨で般若心経を写す。用紙には菊の御紋が刷られている。

静かな時が流れ、心も体もすべてが整えられていく。

書き終えて、霊明殿をでると、色がつき始めている紅葉や楓が風に揺られていた。

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王陽明、「泛海」で心情を語る。 【一茶庵 稽古追想】

2020-11-04 15:05:00 | 文化想造塾「煎茶」

稽古場に着くやいなや目にとまったお軸は、雄大さの中に男の激しい生きざまが文字で表現されているかのように見えた。
いつもの通り、この詩の文字数は?から始まり、読める字があるか?という問いに明確に答えられない。わかった文字から連想し、またわからない文字を想像していく連想ゲームのようである。



ひと通り読み終わり、中国の明大の時代に生きた王陽明の「泛海(ぼうかい/海に泛(う)かぶ)」という詩であることがわかった。
王陽明が書いた、当時の心情を表現した詩である。この詩は、王陽明の想像の世界と現実の情況とが混在した不思議な詩のようである。
その内容は以下のとおり。

「泛海」
險夷原不滞胸中
何異浮雲過太空
夜静海濤三萬里
月明飛錫下天風

逆境であれ順境であれ、それらに心を煩わせることなどない。
それらは、あたかも浮雲が空を通り過ぎるようなものなのだから。
静かな夜の大海原を、月明かりに乗じて錫杖を手にした道士が天風を御しながら飛来する、まるでそんな広大無碍な心境である。
目的地に飛んでいった僧侶のように、わたしも目的地を目指したい。

と言った内容である。



王陽明は官僚であり、そして陸軍大将として戦いを指揮してきた。その道中、苦難も経験し、後に「陽明学」という思想を生んだ人物である。その王陽明はこよなく茶に傾倒したと言われている。
煎茶は、隠棲した文人の趣向の茶というものとは別に、激動騒乱の中で “一服の心の鎮静剤” として親しまれたものであった。

この書は、陽明学者で思想家の「安岡正篤」氏が、一茶庵でしたためた直筆書である。

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目を惹いた、絢爛な「鼻煙壷」。大阪市立東洋陶磁美術館

2020-11-03 16:41:25 | 歴史文化

大阪市立東洋陶磁美術館の片隅に目を惹くコーナーがあった。それは豪華絢爛で可愛いらしい「鼻煙壷」コーナー。日本では馴染のないもので、はじめはなんだろう?と思ったほどで、ただ小さな美しい容器に見えた。

 

解説文を読むと、粉状の嗅ぎタバコを入れる小さな容器。アメリカ大陸からヨーロッパへ、そして中国に伝わり清朝の王宮ではやり、中国独特の華やかな美術工芸品として人気を博したようだ。

その材質は陶器、ガラス、金属、貴石、動植物などから造られ、それに中国独特の美しい工芸細工が施されている。容器はヨーロッパの箱形容器から中国独特の密閉式容器に変容発展し生み出されたのが、これらの鼻煙壺。

ちなみに嗅ぎタバコは粉末状のタバコを鼻腔に吸い込んだりこすりつけたりして、香りと刺激を楽しむものとして一般にも広がったようである。

 

同美術館の2階のラウンジ1のスペースの先の一隅に「沖正一郎コレクション」として展示されている。沖正一郎氏は4年前に亡くなられているが、初代ファミリーマートの社長を務められた実業家。同氏から1200点の作品が大阪市に寄贈されものである。

 

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秋の情景を楽しむ

2020-11-02 11:38:59 | 雑感

今日は早朝から雨が降っている。
秋雨は長雨になることが多い。
秋霖(しゅうりん)、すすき梅雨ともいうらしい。

今日の雨も夜まで続くようだ。
次第に秋雨前線が南下し、冬に向かう

拙宅のツタの葉がかなり色づいてきた。
冷たい雨に打たれながらも
季節の情景を楽しませてもらっている。

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