ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

伊藤弘之氏の「渦潮」、世界自然遺産登録に向け一役を果たす

2021-06-13 14:25:31 | 絵画

いまホットな場所として注目されている淡路島。関西からはもちろんだが、

関東からの移住者が増えている。それは、言わずと知れた自然の宝庫だからである。

海、山、そして青い空が身近な存在として生活に息づいている。そんなアイランドに夢を求めてやってくる。

 

新しい風が吹き始めている淡路島に、さらに追風になる兵庫・徳島の共有の自然財産である

「渦潮」が世界自然遺産の登録に向け動いている。兵庫県としても夢のアイランド構想がより促進される。

 

そんな中で、身近で嬉しいトピックを耳にした。

ご近所さんで、令和一年度の西宮市民文化賞を受賞された画家、伊藤弘之さんの絵画3点(写真)が、

新築された兵庫県洲本総合庁舎(淡路県民局)ビルに寄贈されることになった。

県としても世界自然遺産登録への促進剤につなげたい狙いがあるようだ。

この絵画「渦潮」が南あわじ地域のシンボルになっていくはずである。

そして、世界に類をみない渦潮が世界自然遺産に認定されることを心より願っている。

 

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お釈迦様の悟りのエピソード

2021-06-12 11:05:58 | 文化想造塾「神社仏閣」

大阪・豊中市にある曹洞宗「梅林寺」のご住職を訪ねた。

このお寺にある『「降魔成道」-菩提樹の下でー』と題した襖絵を見に行くことが目的である。

親しくしている洋画家の伊藤先生の紹介で、水墨画家の篠原貴之さんの個展を阪急百貨店に見に行った。

その折に、篠原さんから「梅林寺」の襖絵のことを伺い、

どうしても見たくなったので梅林寺さんにコンタクトしていただいた。

襖絵としては少し大胆なテーマだが、この絵からお釈迦様の教えを考察するきっかけになれば、

と描かれたのがこの「降魔成道」。この「降魔成道」の場面は仏伝の中でも重要なエピソードの一つで、

インドでは仏教彫刻や壁画にはよく表現されているという。

 

大きく分けて三つから成り立っている。「誘惑」、「魔軍来襲」、「証言」である。

出家したお釈迦様が6年の苦行を終え菩提樹の下で悟りを開くために瞑想していると

欲界の魔王マーラが娘たちを使い「誘惑」させる場面である。

そして「魔軍来襲」は、マーラが今度は暴力で屈服させようと矢を射ち放つが、

矢が蓮の花と化しお釈迦様の悟りを阻むことはできなかったという話である。

次に打ちのめそうとマーラは、問答で仕掛けていく。

マーラは「おまえには、おれに証言できる過去の善行がなかろう」と迫ったが、

お釈迦様が大地に触れると大地の女神が現れ、「お釈迦様、あなたは過去世で数切れない善行を積まれた。

いまこそ最高にして完全な知恵を成就し仏陀になられる」と証言された。

それを聞いたマーラは慌てうろたえ退散したというエピソードである。

そのストリーを篠原氏が墨で描いたものである。

この奥の間に座っているだけで背筋がピンと伸びる。お釈迦様の姿で、

いまを生きる我々への示唆を分かりやすく表現しているのであろう。

 

 

注) 壷坂寺(奈良)には、お釈迦様の誕生から涅槃までの一生を浮き彫りにした10面の石仏がある。

お釈迦様の事蹟のなかで重要な意味をもつ石仏である。

トップの写真は、その第6面の石仏で、菩提樹の下で結跏趺座し右手で大地を指す「触地印」、

つまり「降魔印」を結んで不動の心を示すお釈迦様の姿を中心に、

左右から襲いかかる魔軍、官能的ポーズでせまる3人の女性像が描かれている。

 

※この記事は、2008年4月の「心と体のなごみブログ」に掲載されたものを加筆し転載

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停雲思親友也。友を想う! 【一茶庵稽古追想】

2021-06-11 13:00:35 | 文化想造塾「煎茶」

コロナ禍で仲間や友人に会うこともままならない。また、好きなところに出かけるのも控えている。

こんな時期だから改めて、以前に体験したことや教えていただいたことを思い起こすと、

その時は感じ取れなかったものが、不思議と見えたり感じたりする。

 

煎茶稽古も、その一つ。

毎回、稽古に行く前にいつもながら頭を巡らすことがあった。

それは、どんなお軸がかけられているのだろうか。またどんなお茶が楽しめるのだろうか、と。

その時は、氷水で淹れる玉露。玉露は喉を下るほどの量はないが、

口の中にキレのある玉露独特の味が広がる。夏の夜に、ひとりで想いにふけるのには堪らないお茶である。

その想いに合わせたかのような、この水墨画。中国の険しい山々の景色が描かれている。

山から流れ下る川沿いの家では人の営みが見える。

この画を見ていると、陶淵明(とうえんめい)の「停雲」の詩に引き寄せられていく。

 

 

停雲思親友也 

樽湛新醪園列初栄 

願言不従歎息弥襟

 

という一節がある。

雲たちこめて懐かしき友を思う 樽には新酒が満ち庭の花は咲きそめている。

君と会い語ろうと思うが叶わない、ため息で胸がいっぱいだ…

という訳になる。

 

停雲靄靄 時雨濛濛 八表同昏 平陸成江 

有酒有酒 閒飲東窓 願言懐人 舟車靡従

 

たちこむる雲は靄靄(あいあい) 春の雨は濛濛(もうもう) 八方すべて暗く 

平地は川となって水があふれる 酒がある、酒があるではないか 

東の窓にもたれてゆったりと杯を傾ける 友と旧交を温めたいと願っても 

(この雨では)舟も止まってしまっているだろう

 

 

これらの詩が今週の稽古の題目だった。

遠くの友がどうしているだろう、と思いを馳せるが、この雨では会いにいくのもままならない。

その心情を詠んでいる。

目の前の爽やかな冷たい玉露が、苦く渋い味に一変してしまいそう。

 

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舞で小宇宙の世界がー

2021-06-10 12:28:52 | 有形文化財

初めてブログを開設したのが16年前の2005年11月5日。

ネットでの情報配信ツールとしてブログが人気になりかけたころ。それを使い、

イベント情報や取材記事の配信を始めた。

通常の広告、宣伝、広報、イベント等々の業務に便利なツールとして活用し、

個人的な活動として「心と体のなごみブログ」をスタートさせた。

 

その第一回目がタイトルにあるように「音と舞で小宇宙の世界が―」の記事。

当時、知人であった京都の市比賣神社の飛騨富久宮司の影響で雅楽に興味をもち、雅楽イベントを企画。

その雅楽を兵庫県西宮市の大谷美術館に提案させていただき、「雅楽会」の開催につながった。

その報告としてブログを活用した。

その第一回目の記事をリライトし今回掲載させていただく。

 

大谷記念美術館は洋風建築の外観ではあるが、中に入ると 正面ロビーの奥は日本庭園が広がり、

その横には日本建築を代表するかのような部屋が庭に面している。      

その空間を活用し、世界最古といわれているオーケストラ 「雅楽」を披ろう。

雅楽の音、舞が融合すると小宇宙を思わせるような雰囲気に包まれた。

 

 

演奏は管弦2曲。曲の間に、飛騨宮司が楽器や音の解説を交えお客様を雅楽の世界へいざなっていく。

馴染がない雅楽を知っていただくよい機会となった。

続いて「舞」が披ろうされた。小学生の女の子2人の「童舞」。

子どもながら見ごたえのある堂々たるもった。

 

最後に、ご来場いただいたお客様が楽器体験にチャレンジ。

子どもや若い方たちが敷物の中央に座り(雅楽は正座ではなく、 楽座(らくざ・あぐら))龍笛に挑戦。
その中に混じって、私の、南武道の先生である ステファンも子どもたちと一緒にチャレンジ。

彼は、来日して2ヶ月あまりであるが、日本文化に傾倒しているせいか、感激もひとしおだったようである。

 

 

ちなみに、「雅楽」を少し説明すると

雅楽は1200年以上の歴史を持ち、日本の古典音楽として、また世界の古典音楽としても高く評価されている。
雅楽は中国大陸や朝鮮半島から伝えられた音楽や舞と、

平安時代に日本独自の様式に整えられた音楽とが融合し儀式音楽として伝えられた。

奈良時代から雅楽の演奏は、宮廷はもちろん寺院や神社において盛んに演奏されている。

そして1000年以上、京都・奈良・大阪の専門の演奏家によって伝承され続けてきた。

明治時代に入り、宮内庁式部職楽部が創設され雅楽を伝承している。

楽器のみの演奏を管絃と言い主として屋内で演奏され、舞を伴う演奏を舞楽と言い、主として屋外で演奏される。

(日本雅楽会HP参照) 

 

※この記事は2005年11月の「心と体のなごみブログ」に掲載されたものを転載

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地域に根ずく「心安らぐ寺小屋」コミュニティ、仏画曼荼羅アート教室が再開

2021-06-07 15:18:36 | 文化想造塾「曼荼羅」

仏画曼荼羅アート教室の6月の後半の日程が決まりましたのでお知らせいたします。

今年の4月から「仏画曼荼羅アート教室」の新たな場として寺院での開講を進めていました。

しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言が発令され

4月、5月の開講は中止させていただきました。

落ち着いてきたので、6月15日の大阪府池田市の佛日寺、22日の大阪市淀川区の福泉寺、

そして25日の明石市のウィズあかしの新会場は開講いたします。

 


新たに加わった寺院での開講は、仏画曼荼羅プロジェクトとして新しい展開です。

地域に根付く寺院で「心安らぐ寺子屋」的なコミュニティになればと思っています。

どの教室の皆様さまからも「描きたい」「書きたい」「写したい」、

そして「生きる力にしたい」と思っていただけるように努めてまいります。

仏様を描き般若心経を書くことで得られる心の平穏を楽しみ、

さらに心と頭をつかう想像力や独創力も高まります。ご興味があれば、ぜひご参加ください。

私も、皆様と一緒に続けられることが何よりの楽しみです。 

 

 

渡邉雄二 合掌

■2021年6月後半 各地教室のスケジュール

615() 佛日寺教室 (佛日寺/大阪府池田市)
午後1時30分~3時30分 (通常開講/第3火曜日)
622() 福泉寺教室 (福泉寺/大阪市淀川区)
1時30分~3時30分 (通常開講/第4火曜日)
625() 明石教室 (ウィズあかし/7月未定)

午後2時~4時

●626() 神戸教室 (スタジオ・アジュール)
午後1時~3時 (通常開講は第4土曜日)

佛日寺

福泉寺


 ※体験会は随時行っています。ご希望の方は下記のまたはでご連絡ください。
 ※体験会の参加費用は、一律1,000円(材料費込)
 ※自分の地域でも開講をご希望される方はご連絡をください。
 ※お問い合わせ並びにご予約は、
 090-3658-7804  ipc@wa2.so-net.ne.jp 「仏画曼荼羅アート事務局」渡邉まで

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