ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

小倉山の中腹にある、四季折々の彩をみせる常寂光寺

2021-09-19 16:07:43 | 文化想造塾「神社仏閣」

 

小倉山常寂光寺(おぐらやまじょうじゃっこうじ)は二尊院から歩いて数分のところにある。

安土桃山時代の慶長元年(1596年)、嵯峨野に邸宅を所有していた豪商・角倉了以が、

本圀寺16世・日偵に寺領の寄進を行い、創建された寺院である。

 

 

山門をくぐるとその先に仁王門がある。この仁王門は、

南北朝時代に本圀寺南門として建造されたものを常寂光寺に移築したもの。

仁王像は、若狭国・長源寺から移されたものが安置されている。仁王門を抜け石段を上ると本堂がある。

寺院は深緑に覆われ小倉山山麓の中腹にある山寺。四季折々にみせる彩りに多くの参拝者が訪れる。

 

 

境内には、藤原定家が「小倉百人一首」を撰んだと伝わる小倉山の山荘・時雨亭跡地として石碑が建っている。

(時雨亭跡は、付近の二尊院や厭離庵も跡地として存在するが、どこがそうだったかは定かではない)

深緑に覆われた境内を写真で紹介させていただく。

 

 

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「二尊院の花・といろ」静寂に映える佳色のおもてなし 【といろ(十色)シリーズ】

2021-09-17 14:09:43 | といろ(十色)シリーズ

 

小倉山の深緑に包まれ

虫の音と葉擦れのささやきが聞こえてくるのみ

その静寂の二尊院に映える佳色の花

二尊の慈悲の化身かのように

 

Surrounded by the deep green of Mt. Ogura

You only hear the sounds of insects and the whispers of leaf rubbing

A brilliant flower that shines in the quiet Nison-in Temple

As if it were an incarnation of the mercy of the two gods

 

 

リポート & 写真 / 渡邉雄二 Reported & Photos by Yuji Watanabe

#京都観光 #京都嵐山 #二尊院 #小倉山 #百人一首 #静寂 #虫の音 #葉擦れ #釈迦如来 #阿弥陀如来 #二本尊

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二尊院は、世界が違う「釈迦如来」と「阿弥陀如来」を本尊として祀る

2021-09-16 14:06:04 | 文化想造塾「神社仏閣」

百人一首にも詠われた小倉山のふもとに千二百年の時を超え美しい景観に包まれている二尊院。

「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を本尊として祀る寺院であることから二尊院と呼ばれている。

正式には「小倉山二尊教院華臺寺(おぐらやまにそんきょういんけだいじ)」という。

 

“紅葉の二尊院” の言われるくらい、京都紅葉観光では外せないスポットになっている。

極楽往生を目指す人を此岸から送る「発遺の釈迦」と、

彼岸へと迎える「来迎の阿弥陀」の遺迎二尊が同じ須弥壇に祀られているのは珍しい。

ぜひ、見てみたいという思いに駆られ、この時期にも関わらず思い切って出かけた。

 

 

この遺迎二尊像は鎌倉時代中頃に、春日仏師によって造られたと言われている。

本堂の中央に安置されており、右に釈迦如来立像、左に阿弥陀如来立像が並んで安置されている。

左右相称で金泥塗り、玉眼入りの像が境内を見守っている。

 

双方の本尊は全く違うの世界の仏で、釈迦如来が穢土(えど)、つまり 私たちが生きている娑婆の世界で、

一方、阿弥陀如来は浄土(じょうど)、つまり仏が住んでいるとされる世界である極楽浄土のことをいう。

正反対ながら我々を救済するという目的と願いは全く同じ。ただ、アプローチが違うだけなのである。

 

 

そんな二尊像を目の前に、今と死後の自分の救済を願い、

手を合わせたが少々欲張った祈願をしたような気がしないでもないが・・・

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伯夷列伝が稽古の台本 【一茶庵稽古追想】

2021-09-14 14:15:59 | 文化想造塾「煎茶」

以前、通っていた煎茶の稽古はサロン的な教場だった。男性の夜の語らいを楽しむところだった。

その語らいの台本が掛軸で、書かれている内容(漢詩・画)を解きあかしていくサロン塾のようなものだった。

毎回、その季節や旬のストーリーが表現されていた。

苦手な分野と思いながらも、そのサロンで求められるのは「想像力」だったように思う。

時の経過とともにいい歳したオジサンたちでも藹々と盛り上がっていった。

 

 

ある夜の稽古の台本は、黒板に書かれていた司馬遷の史記にある伯夷列伝の

「伯夷・叔斉(はくいしゅくせい)」だった。

伯夷・叔斉は、中国の殷・周の交代期のころ伯夷と叔斉の兄弟が、

父文王の死後すぐに周の武王が殷の紂王を討ったことを、不義、不仁として周の作物を食することを拒み、

首陽山に隠れワラビだけで食い凌いだが、ついに餓死したという伝説を表現したもの。

その行いが儒家によって孔子以来の「仁」と高く評価されたという。

それで司馬遷が伯夷列伝を「史記」の最初に置いた、と言われている。

その伯夷列伝を紹介する。

 

 

武王已平殷亂、天下宗周 


ぶおうすでにいんのらんをたひられげ、てんかしゅうをそうとす

而伯夷・叔齊恥之、義不食周粟

しかるにはくい・しゅくせいこれはじ、ぎもてしゅうのぞくをくらわず
隠於首陽山、采薇而食

しゆやうざんにかくれ、びをとりてこれをくらう
及餓且死作歌

うえてまさにしなんとするにおよびうたをつくる
其辞曰、 
登彼西山兮、采其薇矣

そのじにいはく、かのせいざんにのぼり、そのびをとる
以暴易暴兮、不知其非矣

ぼうにもってぼうにかえ、そのひをしらず


神農・虞・夏、忽焉沒兮


しんのう・ぐ・か、こつえんとしてをはる
吾安適歸矣


われいづくにかてききせん
于嗟徂兮 命之衰矣

ああ、ゆかん、めいこれれおとろへたり、と
遂餓死於首陽山

ついにしゆやうざんにがしす

由此観之、怨邪非邪

これによりてこれをみれば、うらみたるか、あらざるか

 

このストーリーは後世によく登場する。以前、中国古典の教科書にもよく使われていた。

このお軸(写真)は、昭和18年に、ガダルカナル島から日本軍撤退の知らせをいち早く聞いた、

如意山人というお坊さんが、戦争の激変を「伯夷叔斉」をモチーフに一茶菴で描いたものである。

賛には「高嶺頭上見春色」と書かれてあった。

 

 

トップ画像 / 伯夷叔斉の画像より転載

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初秋の洛西をあるく Walk through Rakusai in early autumn

2021-09-13 14:58:03 | 雑感

深緑の洛西を歩いた。

空気も風も、そして彩りも少し秋を感じるようになってきた。

紅葉もいいが、この時季の静寂に包まれる緑葉の小倉山は目に沁みる。

 

I walked in the dark green Rakusai.

The air, the wind, and the colors have come to feel a little autumn.

Autumn leaves are nice, but Ogurayama, which is a green leaf surrounded by the silence of this season, is memorable.

 

■二尊院の近くの陶器店(信楽の狸が迎えてくれました)

Pottery shop near Nison-in Temple (Shigaraki's fox welcomed me)

 

■小倉山の緑葉が目に沁みる

The green leaves of Mt. Ogura are in my eyes

 

■二尊院の、モミジに覆われる白壁

  Nison-in's white wall covered with maples

 

■二尊院の門の横にある湧き水

  Spring water next to the gate of Nison-in

 

■石垣を覆う苔

  Moss covering the stone wall

 

■時雨亭跡から臨む京都市街地

  Kyoto city area facing from the ruins of Shigure-tei

 

■白壁にモミジが映える

  Maples shine on the white wall

 

■苔にモミジ(紅葉には美しく映える)

  Maple on moss (looks beautiful on autumn leaves)

 

■二尊院に上がる石段

 

リポート & 写真 / 渡邉雄二  Reported & Photos by Yuji Watanabe

 

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