ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

嵯峨野の顔「清涼寺」の朱の金剛力士像

2021-11-24 14:19:38 | 文化想造塾「神社仏閣」

嵐山 渡月橋からまっすぐ北に行くと、清凉寺の仁王門に突き当たる。

通称嵯峨釈迦堂といわれている浄土宗寺院である。初めて参拝させていただく機会を得た。

今回の仏画曼荼羅アート神戸教室の皆さんと行く嵯峨野散策コースには入っていなかったのだが、

昼食に立ち寄ったお店を出た正面に仁王門がそびえ建っていた。

本来は、天龍寺から常寂光寺、二尊院を参拝するコースだったのだが、仁王門の迫力に惹かれ立ち寄った。

それが清凉寺である。

 

 

なんの寺院情報もなく立ち寄った清凉寺だが、調べてみると本尊が釈迦如来像(国宝)で、

その如来立像が釈尊の37歳のときの生身の姿を伝えた霊像として、

古来より厚く信仰をあつめた像ということであった。

 

その三門にあたる現在の仁王門は1800年直前に完成し、建造様式は和様と中国禅宗様の折衷したもの。

その初層の左右には室町時代に建造されたと言われている金剛力士像の阿形像と吽形像が安置されている。

寺院の全体を守護神である二体は、ご覧のとおり朱の力士像。

ご存じ、像容は上半身裸形で、筋骨隆々とし、阿形像は怒りの表情を顕わにし、

吽形像は怒りを内に秘めた表情に表すもの。

こうした造形は、寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神としての性格を表している。

 

金剛力士像は忿怒の表情をした天部の像であるが、

ここ清凉寺の力士像は他の寺院の力士像よりか心持ち穏やかな表情に見える。

建造する仏師が違うわけだから違って当たり前かも。

角度や陽光、さらには見る側のそのときの心境によって違って見えても不思議ではない。

国宝釈迦如来立像や経蔵については、後日紹介させていただく。

 

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「嵯峨野の秋・といろ」 小倉の山々に彩りと輝き 【といろ(十色)シリーズ】

2021-11-23 13:32:43 | といろ(十色)シリーズ

 

嵯峨野が彩り輝く、この季節

モミジやイチョウが紅や黄に色づき、陽があたり輝く

目線には真っ赤に色づく千両、万両が映る

今年も、また秋が眩しい

 

 

 

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たかが一本の松、されど・・・ 勇姿がなくなる

2021-11-21 14:33:57 | 雑感

世界文化遺産 天龍寺の曽源池(そうげんち)庭園は、日本初の国の史跡・特別名勝に指定された最高峰の日本庭園。

桜やツツジ、新緑、紅葉、雪景色など四季の移り変わりを愉しむために多くの人たちが訪れる。目

に入る景色は美しすぎる世界である。

風を感じ、彩を愉しみ、葉擦れやせせらぎの音を聞き、石の形や役割を想像し、

生きる喜びを五感で感じる世界が広がる。

 

斯界で何かが欠けるとバランスが崩れることもある。

いままで大きな存在感を示していたモノならなおさらである。

この曽源池庭園で大きな守護存在として生き続けた「赤松」が、

原因は定かではないが枯れてしまい長きの命を閉じた。

東南角に龍のごとく庭園を見守り続けた一本の松が、今年のコロナの渦中に伐採されたのである。

世界文化遺産の寺院一角の、一本の松ではあるが文化遺産の処遇等で京都府・市の許可をとって

事が進められたようである。

 

 

 

守護龍を思わせる赤松の存在を長い間見てきた者には、枯れた姿は儚くも寂しい姿に映っていた。

昨年、取材をした際はすでに伐採することが決まっていた。

今年に入り、確認の電話をしてみた。残念ながら・・・という返事だった。

そして一昨日、書院から眺めた景色にはその勇姿はなかった。

しかしながら、私の脳裏にはいつまでも逞しい姿が焼き付いている。

 

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大日如来の化身が、「あだち幸不動明王」に見えてきた

2021-11-20 14:20:07 | 文化想造塾「曼荼羅」

 

今年6月に、あだち幸さんの「不動明王」が世界文化遺産の仁和寺に奉納された。

この件は以前に紹介したが、このたび仁和寺参拝を機に、やっと実物を拝見することが叶った。

奉納当日にご招待いただいていたが、残念ながら用事があり参列できなかったので、今回の参拝を心待ちにしていた。

 

前回の記事で作品を紹介したが、改めて少しふれてみたいと思う。

あだちさんの不動明王は真っ赤に燃える炎を背に何かと対峙し、

この世を救済する力強いエネルギーに満ち溢れているように描かれている。

この迫力は、私が見た不動明王の中でも満悦至極の傑作と思っている。

密教特有の尊格である明王の一尊である不動明王は大日如来の化身とも言われているが、

これは、まさに “あだち幸不動明王” である。

 

今回、仁和寺に奉納され黒書院に展示されている。

ガラス越しなので、日中では外の景色がガラスに反射し写り込んでしまう。

やむを得ない対策ではあろうが見えにくい、誠に残念であった。それでもスマホに納めた。

少し幻想的な写真になったので紹介させていただく

 

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「障壁画・といろ」 仁和寺の宸殿を彩る 【といろ(十色)シリーズ】

2021-11-18 15:46:11 | といろ(十色)シリーズ

 

仁和寺の二王門をくぐるとすぐ左側に本坊表門があり、表門の奥に本坊といわれる御殿が建つ。

その御殿の中心になる建物が儀式や式典に使用される宸殿(しんでん)である。

明治20年に焼失するまでは、寛永年間に御所から下賜された常御殿(天皇の御座所)が使用されていた。

 


現在の建物は1914年(大正3年)に再建され、御所の紫宸殿とおなじように檜皮葺(ひわたぶき)の屋根の建物。

内部は、明治期に京都画壇で活躍した日本画家・原在泉(はら ざいせん)が描いた華やかな襖絵や壁絵が宸殿を彩る。

 

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