ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

楽しみの「美の壷」、また次回も

2022-06-07 12:57:56 | TV番組

「暮らしの中の多彩な “美” を伝えます」をキァッチフレーズに、金曜日夜7時30分よりNHKbsプレミアムで放送されている「美の壷」。好きな番組で欠かさず視聴している。

 

前週は、日本独自の染めものに発展させた「和更紗」を紹介。放送の前段では、以前、稽古に通い煎茶のイロハを教えていただいた一茶庵宗家の佃一輝宗匠がとっておきの和更紗を公開。文人煎茶のこだわりの逸品として解説されていた。

 

              煎茶の敷物になる和更紗

               文人煎茶がこだわる和更紗

 

そして次回は、また興味のある題材が放送される。「黒と白の宇宙 水墨画」という題材である。この回に登場される、松から作られる貴重な「松煙墨(しょうえんぼく)」の日本でただひとりの職人である堀池雅夫さん。フェイスブックでの可愛らしい自筆イラストに心癒されている。その松煙墨の職人技が紹介される。

他には、世界で活躍する書家・紫舟さんや「鳥獣戯画」の躍動感の秘密を語る水墨画家大竹卓民さん。そして俳優・イッセー尾形さん憧れの水墨画「松林図屏風」(長谷川等伯)を前にイッセーさんの語りも見応えありそう。

 

       次回の美の壷「黒と白の宇宙 水墨画」

 

お時間のある方は、ご視聴ください。

 

リポート/ 渡邉雄二 参照資料/ NHKbsプレミアムチラシ 写真/ NHKbs「美の壷」映像複写転用

 

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/

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大都会の写経場に通う人びと。【NHK ドキュメント72時間より】

2022-06-06 09:44:36 | 文化想造塾「神社仏閣」

 

一昨夜、NHKの番組「ドキュメント72時間」を観た。ご存じの方も多い人気番組である。72時間、ある事にかかわる人たちを紹介していく、ちょっとユニークな番組として定着している。

 

今回は、大都会のお寺の写経場に通う人たちを3日間通しで紹介していた。

中学受験を控える小学生とその母親、霞ヶ関の公務員の青年たち、夜勤明けのタクシードライバー、出勤前の山手線の車掌さん、そしてご主人の法事を済ませ駆けつけたご婦人などなど老若男女さまざまの人たちが登場していた。その場所というのが、五反田にある薬師寺の東京別院の写経場である。

 

写経をするのは人それぞれ理由があるだろうが、共通して感じられたことは「心を整える」時間になっているようだ。墨をすって、小筆で276文字を一気に書いていく。1時間ほど集中する。終わったあとは不思議とスッキリして帰れる、という声があった。日常にはない、一服の心の安定剤としての時間を楽しんでいるかのようだった。

 

 

リポート/ 渡邉雄二 写真はNHK「ドキュメント72時間」映像を複写転用 

 

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あだち幸氏の、慈悲深い「不動明王三部作」が奉納される

2022-06-05 14:39:34 | 絵画

           宮島・大聖院で不動明王-Ⅱの奉納式

 

手書き友禅染の独特の技法で仏画を描く、友禅画家のあだち幸さん(岡山県井原市)が先月の28日、広島県廿日市市宮島町の真言宗御室(おむろ)派大聖院に、「不動明王三部作」のひとつである、黄金の輝きを放つ不動明王を奉納した。

 

2019年10月には、不動明王三部作の「不動明王-Ⅱ」が修験道門跡の京都聖護院に奉納され、昨年の6月に「不動明王-Ⅰ」は世界遺産の京都・仁和寺に奉納されたことは紹介したが、それに続いて今回、「不動明王-Ⅲ」が宮島の大聖院(広島)への奉納が果たされた。

 

           あだち幸さんが「不動明王-Ⅱ」を解説

 

あだち幸さんがこれらの大作不動明王を描くきっかけになったのは、2011年のあの東日本大震災。大震災による大災害や、それによる福島第一原発事故の悲惨な状況に心を痛め、“怒り”と“鎮魂”の強い思いを込め描き始めた。三部作ともご覧のとおり、何かに向かって踏み込んでいくような迫力がある。

 

京都聖護院に奉納された不動明王-Ⅱ(高さ2.18m×幅2.25m)は、炎の中に包まれる不動明王の勇ましい顔に、頭の群青が澄み渡る青空のようにも透き通る海の色にも見えてくる。

 

仁和寺に奉納された不動明王-Ⅰ(横4.8m×縦2.7m)の屏風画で、炎に包まれる不動明王がもつ剣と太陽が青で表現されている。大屏風の中から不動明王が、多くの痛みや苦しみを救ってくれるかのような慈悲の姿に見える。

 

そして、不動明王-Ⅲ(横1.35m×縦2.7m)は軸装されている。群青の中に黄金の不動明王が浮き上がっている。勇ましい顔ではあるが、多くの喜びを享受することができる慈悲深い不動明王のように見えてくる。

 

不動明王の三部作の最後を飾った「不動明王-Ⅲ」の奉納式が5月28日に大聖院で行われ、吉田座主(仁和寺宗務総長)よりあだち幸さんに感謝状が贈られた。同作品は引き続き常設されている。これらの三部作は各寺院で一般公開されているので、ご高覧ください。

 

リポート/ 渡邉雄二 写真/ あだち幸仏画工房

 

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落語とお経の共通点、「言葉」

2022-06-01 14:26:32 | 雑感

 

先日の佛日寺寄席では、お寺ならではの行事があった。

落語がはじまる前に、和尚の木魚と鐘に合わせ全員で般若心経を「読経」した。

参加者全員にフリガナを打った般若心経が2種類配られた。一つは私も馴染のお経であったが、もう一つが今までに見たことのない、同じ般若心経ではあるが読み方が違うものであった。

 

般若心経が書かれてある紙には、馴染のものには「平安時代以前に伝来 呉音(ごおん)の般若心経」と記されてあった。お恥ずかしいが、この呉音ということもわからないありさま。さらに、もう一枚の般若心経には「江戸時代隠元禅師伝来 黄檗唐韻(おうばくとういん)の般若心経」とあった。

中国の昔の時代やその地域の言語の違いなのだろうか、それが日本に伝来された時代によって発音が異なるようだ。

 

           平安時代以前に伝来 呉音(ごおん)の般若心経

       江戸時代隠元禅師伝来 黄檗唐韻(おうばくとういん)の般若心経

 

通常の般若心経では、呉音というは日本語の漢字音(音読み)の一種なので読み方として我われには分かりやすい。呉音は資料によると、漢音以前に日本に伝えられた字音で、揚子江下流の南方方言のものであろうと推定されている。仏教経典の読み方に多く用いられているとのことだった。

一方、黄檗唐韻とは、黄檗宗独自の読経ということだった。近世の中国語の発音に近い発音で読経が行われているようだ。

 

黄檗宗は江戸時代初期に隠元真空大師が来日し開山した宗派で、現在日本にある13宗では一番新しい。臨済宗から独立した禅寺系である。だから現在も黄檗宗では、隠元禅師伝来として般若心経は黄檗唐韻の読み方であげられている。

 

落語会に参加された皆さまもフリガナをたよりに読経した。時代のなごりなのか、慣習なのか、見慣れないものに触れるのは新鮮だった。お経と落語を同じ土俵では語れないが、「言葉で伝える」作業としては同じことのように思えた。貴重なお寺での落語会だった。

 

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

 

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