一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

721  鉄扉閉づる大音響や無月なり  薪

2012年10月02日 | 

(てっぴとづる だいおんきょうや むげつなり)

 鉄扉といえば、公団のアパートなど住宅にもありそうだが、「大音響」なのだから大きな古い倉庫などが想像される。

 これに合う季語と言えば、ついつい「月の出、月の入り」とか「日の出、夕日」などが思い付くだろう。しかし、そこに逆の「無月」を取り合わせたのがうまい。

 「無月」は、十五夜の仲秋の名月が、雲に隠れて全く見えないこと。雨で見えないことを「雨月」というが、「無月」は、「雨月」を含んで解釈の幅が広い。

 この句の大音響は、「無月」だからこそ、先日の災禍を残した台風17号の暴風雨さえ想像される。17号は、確かに十五夜の日に、大音響をもって日本列島を縦断した。

サギソウ(鷺草)とは、ラン科ミズトンボ属、又はサギソウ属の湿地性の多年草

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