一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

723  これからも縮むばかりや望の月  貞行

2012年10月04日 | 

 この句の、望の月(満月のこと)が、これから次第に欠けてゆく(縮んでゆく)というだけの意味ならば、当たり前で面白くない。しかし、同時に他の何かも縮んで行くとしたら、想像が膨らむ。

 例えば、人間は生まれた時から、既に死に向かって歩いている訳だが、せいぜい20才位までが成長期。それ以後は、ずーっと死ぬまで退化期であろう。皺は増えるし、身長は小さくなるし、体重だって、まあこれは人によるが、長生きする人の体重は、たいてい減ってゆく。

つまり、満月が欠けてゆくように、成長することなく体が縮んで行くのは、長寿の証拠なのである。だから、そういう自分を、堂々と謳歌したらいいのだ。

シモバシラ(霜)シソ科の多年草

 

コメント
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