(さればこそ けんじゃはとまず やれはちす)
「破蓮、破荷(やれはす、やれはちす)」とは、晩秋になって、青々としていた蓮の葉が破れて殺伐とした光景を言う。蕪村は、享保から天明に活躍した江戸中期の俳人、画家。
さて、この句の「さればこそ」とは、一体何を指すのだろうか。「分かり切ったことじゃないか、だから言ったじゃないか」というような意味合いであることだろうことは分かるのだが、全く具体性がない。又、「賢者は富まず」と「破蓮」との因果関係は、これ如何に。
例えば、一代で築いた資産家の、いわゆる成金の商人が、相場か何かに手を染めて、素寒貧になって、自殺した。又は、二代目のドラ息子が、吉原に通い詰め遊女に現を抜かし、財産を食いつぶした。まあ、その他にも色んな良からぬことが、想像される。
だからこそ、蕪村は「さればこそ」で収めたのであろう。流石である。
トリカブト(鳥兜) キンポウゲ科トリカブト属