一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

726  さればこそ賢者は富まず破蓮  蕪村

2012年10月07日 | 

(さればこそ けんじゃはとまず やれはちす) 

「破蓮、破荷(やれはす、やれはちす)」とは、晩秋になって、青々としていた蓮の葉が破れて殺伐とした光景を言う。蕪村は、享保から天明に活躍した江戸中期の俳人、画家。

さて、この句の「さればこそ」とは、一体何を指すのだろうか。「分かり切ったことじゃないか、だから言ったじゃないか」というような意味合いであることだろうことは分かるのだが、全く具体性がない。又、「賢者は富まず」と「破蓮」との因果関係は、これ如何に。

例えば、一代で築いた資産家の、いわゆる成金の商人が、相場か何かに手を染めて、素寒貧になって、自殺した。又は、二代目のドラ息子が、吉原に通い詰め遊女に現を抜かし、財産を食いつぶした。まあ、その他にも色んな良からぬことが、想像される。

だからこそ、蕪村は「さればこそ」で収めたのであろう。流石である。

トリカブト(鳥兜)  キンポウゲ科トリカブト属

 

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