私の俳句の師匠の師匠が秋元不死男だから、会ったことはないが、私は不死男の「孫弟子」に当たる。秋元不死男は、戦前「プロレタリア俳句」などの新興俳句運動に参加し、治安維持法違反によって逮捕され、投獄されている。
戦後、新俳句人連盟に参加、現代俳句協会設立に参加、のち脱退して「俳人協会」設立に参加。
これだけで判断すると、訳の分からない人物ではある。作っては壊す「小沢一郎」を想像してしまうからだ。
そんな流れの中で山口誓子の「天狼」に参加したり、西東三鬼と行動を共にしたりしているから、やはり俳人としてなかなかの人物だったのだろう。そしてようやく、このブログに私の祖父師匠「不死男」の初登場である
さて掲句、この句の一体何が面白いんだろう、と思う。第一「鳥わたる」の「わたる」がひらがなである理由が分からない。「鳥わたる」と「罐切れば」の因果関係、必然性も不明。
では、つまらないかと言えば、そうではない。歳時記を読んでいて、必ず引っかかる句の中の一つなのである。そう言えば、草田男に同類の句があった。
厚餡割ればシクと音して雲の峰
カラスウリ(烏瓜)の実、ウリ科のつる 性多年草