一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

743  百舌鳥に顔切られて今日が始まるか  三鬼

2012年10月25日 | 

(もずにかお/ きられてきょうが/ はじまるか)

  西東三鬼に言わせると、百舌鳥が猛ると「生きることにも心せき、感ずることも忙がるる」というプーシキンの詩のように、じっとしていられなくなるそうだ。

  というのも、三鬼は、ホセ・ファーラーとジェーン・アリスンの映画「モズ」を観たらしく、夫の成功を切望する妻の愛が、夫を駆り立て、苦しめさいなむ、という内容に影響されて、この句を作ったらしいのである。

  そしてようやく昨日、百舌鳥の初鳴きを聞いた。 しかし実際、どんなに百舌鳥が猛り鳴こうと、人間までが急かされ、急ぐことはないはずである。

シシウド(猪独活) セリ科の多年草

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