(もずにかお/ きられてきょうが/ はじまるか)
西東三鬼に言わせると、百舌鳥が猛ると「生きることにも心せき、感ずることも忙がるる」というプーシキンの詩のように、じっとしていられなくなるそうだ。
というのも、三鬼は、ホセ・ファーラーとジェーン・アリスンの映画「モズ」を観たらしく、夫の成功を切望する妻の愛が、夫を駆り立て、苦しめさいなむ、という内容に影響されて、この句を作ったらしいのである。
そしてようやく昨日、百舌鳥の初鳴きを聞いた。 しかし実際、どんなに百舌鳥が猛り鳴こうと、人間までが急かされ、急ぐことはないはずである。
シシウド(猪独活) セリ科の多年草