長野県の安曇野に、臼井吉見文学館がある。文学館には、「滾々汨々(こんこんいついつ)」と書かれた吉見直筆の書があるそうだ。また、これは吉見の墓碑銘にも刻まれているそうである。
しかし、多留男先生の句には「滾々洶々(こんこんきょうきょう)」となっている。いずれにしても、尽きることなく盛んにわき出る水が、威勢よく流れる様を言う。
水の豊かな安曇野にぴったりの言葉であり、このごとく思いや考えや言葉が湧き出ることを、臼井吉見は願ったのだという。
「肝心の発電は、他人任せにして、電線だけ引っ張って、自分の精神の火を灯そうとしたって駄目なんです。か細くても消えそうでも、精神の世界は、自家発電でなくてはならないのです。」
マツムシソウ(松虫草) マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草