社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

12月4日(水) 隣国の民主主義。

2024年12月06日 08時02分07秒 | 2024年

 6時半起床。

 朝顔の水やりをする。

 朝食は蜂蜜入り豆乳ヨーグルト。

 娘を見送ってから、身支度を整えて家を出る。

 電車の中でスマホを開き、韓国の戒厳令(非常戒厳)発令と数時間後の解除に関するニュースを見る。政策的にレームダック状態に陥り、汚職スキャンダルもあって支持率低迷に悩んでいた尹錫悦大統領が昨夜に突如戒厳令を出して軍も出動させたが、野党議員を中心に与党議員も加わって国会に突入して戒厳令の解除要求を議決した。現地の映像を見たが、軍に閉鎖された国会へ塀をよじ登って入っていく議員や深夜にも関わらず国会周辺に続々と集まって抗議をする市民、そしてそれをきちんと報道するマスメディアの姿に感動を覚えた。この先もし日本で憲法が改正されて緊急事態条項が組み込まれ、時の政府がそれを乱用した場合、その他の議員は、メディアは、そして私たち一般市民は今日の韓国の人たちのように行動できるだろうか。

 9時前に出勤。

 午前中は大きな会議があり、終了後にそのまま配られたお弁当を昼食にする。様々な会議で配られるお弁当は自分ではなかなか買えないような高級品でありがたいのだが、基本的に出席者にご高齢の方が多いこともあって上品な和食系であることが多い。私もそろそろそのありがたみがわかる年齢に差し掛かってはいるものの、心のどこかで「がっつりお肉が入ったお弁当がいいなぁ」と思ってしまう。

 会議は午後も続くが、ペーペーの私はお昼でお役御免となり通常業務へ戻る。

 定時で退社し、会議にいらしていた役員さんと食事へ出掛ける。行きたいところがあると言われていたのでどこかと思ったら、電車に乗って移動し上野駅から10分ほど歩いたところ(入谷駅近く)の喫茶店「トロント」だった。

 私がお酒を飲まないので気を遣って頂いたのかと思ったが、少し前にテレビで紹介されていて行ってみたいと楽しみにしていたそうだ。確かに店内の至る所にテレビで紹介された際の写真が飾られている。

 「お酒は飲まなくて良かったんですか?」、「いや、実は喫茶店巡りが趣味なんだよね」。前から東京に来た際には1人で色々な喫茶店を訪問していたが、私がお酒を飲まないのを知って誘ってみようと思ってくださったらしい。お互いの好きな喫茶店を紹介し合い、私は日本橋の「COFFEE LOTUS」(珈琲ロータス)や蒲田の「きりん珈琲」などの魅力を熱弁した。

 食事はオムライスを選んだ。古き良きオムライスの王道で、ケチャップとデミグラスソースの両方楽しめるのが嬉しい。

 食後のデザートは自家製プリン(ホイップのせ)。一番のお目当てはこれとのことで、私も食べてみることにする。懐かしいハード系プリンの上に、これでもかという量のホイップクリームがのっている。

 仕事の関するワクワクするような話もでき、とても楽しい時間だった。お誘い頂き、ありがとうございました。

 帰りも上野駅まで歩く。

 地元へ帰る役員さんを新幹線改札口まで見送ってから、私も帰途につく。

 20時半過ぎに帰宅。

 入浴と洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。危うくそのまま寝落ちするところだった。

 韓国の戒厳令とその解除について、詳しい情報がどんどん入って来る。しかし、情報源はBBCや現地にいるジャーナリストのSNSなどがメインで、国内マスメディアではあまり深い報道がなされていない。それどころか、TBSではアナウンサーが「韓国ではまだ民主主義が根付いていない」などと発言していて眩暈がした。民主主義が根付き、国民もメディアもその重要性を深く理解しているからこそ、今回それを守るために闘うことが出来たのだろう。アナウンサーの個人的意見なのか局としての見解なのかわからないが、頭が悪すぎる。また、「こういうことにならないために憲法に緊急事態条項が必要だ」と意味のわからないことを言い出した政治家もいる。緊急事態条項こそがこういうことを引き起こす原因だろうに。

 日本のマスメディアが報道機関としての体を成さなくなって信頼を失い、”正しい”情報を求める人々がSNSへ流れて簡単にデマに騙される。「国を守る」ことと「国の言うことを守る」ことを混同した自称・愛国者たちが「保守」という聞こえの良い言葉で自己肯定しながらマイノリティを蹂躙し、現状に異を唱える者を攻撃し、それらを扇動して支持を集めようとする政治家が跋扈する。

 私は自分勝手な人間なので、もし子どもがいなかったら「ひとつの国が腐っていく過程を目の前で体感するのも面白いかもね」と割り切っていたと思う。しかし今は子どもを持つ身なので、娘には「まともな出身国で生きる」という選択肢があって欲しい。そのために死票になるとわかっていても選挙に行くし、署名も募金もするし請願書も書く。出来ればデモにだって参加したい。しかしそれでもダメだったら、娘を逃がして自分は心置きなく、何なら少しワクワクしながら腐敗の波にのまれたい。

 未来の日本史の教科書には、今の時代のことはどのように書かれるのだろうか。そもそも、日本に未来はあるのだろうか。

 1時前に就寝。