火曜日、
チャイニーズバッフェでサーバーの仕事をしていると
ティッシュペーパーを1枚
手の中で丸め込んだ後
開いた時のような肌をした婦人が
やって来た。
髪の毛が少々乱れ
裕福に見えないコートを羽織ってはおられた婦人は
優しい微笑みをされ
やわらかい声でゆっくりとこう言われる。
”一番少ない量で
料理一品を持ち帰りたいんだけど、、。” と、、、。
1パイント(pint)の中華の箱を見せ
その半分の量である
” ハーフパイント で
売ることが出来る。 ” と話した所
にっこり微笑んだその婦人が
ハーフパイントで野菜炒めをオーダーされた。
私が それを詰め終わるや
”ライスも頂けるかしら、、” と言われ
フライドライスをひと箱 (1パイント)追加注文される。
二つの箱を手渡そうとすると
今度は
”春巻きも2個包んで下さる、、、” と言う。
こんな風に
それぞれの料理を 別々に買うと
高くつく為
それが気になって仕方なかったが
紙袋に春巻きを入れ 手渡し
次回からは
仕切りのある一つの箱に料理やライス そして
春巻きなどのアピタイザーも入って売られる”コンボ”で
注文する事を提案した、、ら、、。
変わりない笑顔を私に向け
”そうなの そしたらレジで
私は沢山のお金を使ってしまったかしら、、って
訊いてみるわ、、、。” と
料理を注文した時と同じ
ゆっくりとした口調で言われる。
これに対し
”キャッシャーには そんな事は分かりません。
レシートを受け取ったら
チャイニーズと書かれた欄に
プリントされた数値をみれば
このコンボの値段より
ずっと高額である事が分かります。
次回からは
コンボを注文されてください” と
まくし立てるように 答える自分がいた、、、。
ただただ 私は
この裕福に見えない老婦人が
少しでも お金の節約が出来たら と
そればかりで 頭が一杯だったんだ。
が、、、、婦人がそこを去ってから
はっと気づいた。
”そうなの そしたらレジで
私は沢山のお金を使ってしまったかしら、、って
聞いてみるわ。” と言うのは
お金に対するあさましさがない
ユーモアのある返答だったんだ、、と
どこまでも 上品な婦人、、。