キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「異端の空」

2013年06月04日 | Book

太平洋戦争における日本戦闘機の物語。ゼロ戦や隼といった戦闘機は、太平洋戦争の日本軍の主力戦闘機として大活躍し、その開発や戦歴は多くの本で紹介されています。しかし、その裏で戦闘機として企画されながらも日の目を見なかった戦闘機も数多くあり、その中でも特にユニークで印象深い軍用機・試作機を紹介したのがこの本です。
飛行機の技術的な面だけではなく、その開発に携わる人々の姿も併せて紹介しています。
最初のエピソードは、ロケット戦闘機「秋水」です。戦闘機の動力としてロケットを装備して、どうやって戦闘を行うのかまったく想像できませんでしたが、この飛行機の仕組みはロケットで急上昇して相手の上空まで一気に高度を取り、降下しながら相手を攻撃するというものだったようです。この戦闘機の設計は、ドイツのメッサーシュミットの設計図が基になっており、実際に機体を制作して一度だけ飛行を行いました。しかし、試験飛行でエンジン不調のため墜落してしまい、技術的な問題と運用の難しさ(着陸を一回で決めなければいけない)から、結局「お蔵入り」となってしまったようです。この「秋水」を始め、前翼機「震電」、大戦中最高の飛行艇だった「二式大艇」など、大戦機マニアには興味深いエピソードが綴られています。大戦末期の物資や燃料に苦労する中で、決して諦めることなく戦況を打開するための飛行機開発に打ち込む人達の姿にとても感動しました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする