久しぶりに面白い映画を見ました。
あらすじ: 雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランド、アイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。
この映画はコメディだろうと思って見に行きましたが、実はとても味のあるヒューマンドラマで、良い意味で裏切られました。廃刊になる雑誌の最後の表紙を飾る写真のネガを求めて、カメラマンを探しに出掛けるという内容で、モノ探しのストーリーはよくある話だけど、この主人公のキャラクターとストーリー展開がとても面白かった。
妄想壁のある主人公には、自分がヒーローになる夢がある。気になる女性へのアプローチの場面を妄想するが、現実は恋愛下手で未だ独身である。恋愛サイトの自己紹介に自分で誇れるような体験が書き込めない。でも写真管理の仕事は几帳面で、地味な管理部の仕事に誇りを持っている。彼には、他人から見ると能力があるように見えるが、自分では気が付いていない。そういう冴えないサラリーマンだが、カメラマンを探す旅を通して勇気や冒険心が育まれ、暖かい家族や友人達を得て、最後に自分の仕事が認められる。エンディングはとても感動した。
この映画は、会社や生活に追われる中年サラリーマンのための映画だと思う。人生経験が少ない若い人達は、この映画の面白さは判っても、この主人公に共感できないかもしれない。恋愛や仕事で挫折したり、いろんな人生経験をした人には、この主人公に共感できる部分があると思う。特に長年の地道な仕事を認めてくれる人が居るというのは嬉しいものだ。
見終わって、心が洗われるような清清しい気分が味わえた。とても良い映画でした。