眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

緑あふれる

2009-02-04 00:59:41 | 猫の瞳で雨は踊る
男は、新年のあいさつをしたくないのでしばらくの間山にこもっていた。
もうそろそろかと思い山を下りると、男は久しぶりに会議室に顔を出して、おはようと大きな声で言ったが人々はみな無反応だった。ほとんどの者は男が訪れたことにさえ、まるで気がついていないような様子だった。
男はふてくされたままパソコンのスイッチを入れた。画面が瞬間、反応を示す。デスクトップには体を張る大久保選手の姿が現れる。緑色のアイコンは、すべてそのユニフォームに吸収されて曖昧な状態になっていた。

その様子を、猫はすべて見ていた。
なぜなら猫は、どこにでもいたからだ。山の奥にもいたし、海の向こうにもいたし、会議室にも勿論いたからだ。
以下は、猫の見解である。
おそらく男が山にこもっている間に、世界は大きく変動しそのため言葉も大きく変わったため「おはよう」という言葉はなくなってしまったに違いない。
そして、会議室には少しだけ緑が増えていて、それは世界にとってもよいことである。
猫の目が、深い森のように光る。
コメント
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