狼が来たぞとは言ったけれど本当に来るとはどういうつもりだ。「ボスは誰だい?」今は村人に見つからないようにどうにか身を隠してもらわなければ、言葉が真実となると僕はアイデンティティーを喪失して語ることがなくなってしまう。広報狼に話すと、見返りとして金品を要求してきた。#twnovel
傘を忘れてきた。「あの月があそこに見えている間は、きっと大丈夫でしょう」彼は言った。私は月夜の下で車掌を捕まえて安心していた。どこまで歩いても、私は置いていかれることがない。けれども、突然、雨は降り出したし、列車は動き出してしまった。そして、残ったのは、一束の男女。twnovel
積み重なった年月が一人ずつ、友達を奪うにつれて徐々に無防備になってゆき、彼を守るものは何もなくなった。追い詰められ行き止まりの旅路の上、ついに踏み潰されてしまう。その時、遥かなる場所で何かが開くと、自ら俵の形を再生し始めた。その手。「覚えているよ。おばあさん」 #twnovel