先日のこと、街の中で喧騒に包まれていると、最初はすごく心地よかったものが突然不安に思われてきて、喧騒と自分を断ち切ってしまわなければ自分自身が喧騒の中に落ち込んでそこから戻れなくなってしまうと思われました。ちょうど去年の夏くらいから絡まり始めたイヤホンの無残な輪の中に指をすり込ませて1つ1つ解していくと、ようやく元の1本筋の通った道を見つけることができたのでした。張り詰めた夜の隅っこに、真っ直ぐ伸び切ったイヤホンの細い橋の上を妖精が渡っていきます。少し緩めるとバランスを崩しそうになって、そんな時は小さな腕を真横に伸ばして姿勢を保ち、再び橋が正常に回復するのを待ちます。綱渡りのような夜でした。何度か緩めたり伸ばしたりを繰り返した後、今度はもっと思い切って緩めるととうとう妖精は地面に落下してしまいました。
「遊ぶんじゃない!」
妖精は顔を真っ赤にして怒りました。
「遊んでいるのはあなたです!」
長い時を越えてようやく伸び切った道の上に、勝手に上がり込んできたのは他ならぬ彼だったのですから。その後も一切主張を曲げずに突っ張っていると、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。
首をかけ
竜と戦う
数千の
マネキンたちが
素肌をさらす
浮かんだと思った歌は、すぐに喧騒の中で凍り付いてしまいました。
「遊ぶんじゃない!」
妖精は顔を真っ赤にして怒りました。
「遊んでいるのはあなたです!」
長い時を越えてようやく伸び切った道の上に、勝手に上がり込んできたのは他ならぬ彼だったのですから。その後も一切主張を曲げずに突っ張っていると、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。
首をかけ
竜と戦う
数千の
マネキンたちが
素肌をさらす
浮かんだと思った歌は、すぐに喧騒の中で凍り付いてしまいました。